1件のLINE
いつだって君は意味深だ
送ってきたのはたった1件のLINE
その後は、僕が何を送っても返事はない
僕は必死に短いヒントから君を探す
あっち?こっち?そっち?どっち…?
不意にパズルのピースがはまって
僕は君を見つける
僕の姿を捉えた君は一瞬嬉しそうな顔をして
すぐに自慢げな表情で
「今日の問題はどうだった?」
って聞いてくる
「難しかったけど、いい問題だったよ」
そう答えると
君は満足そうに僕に飛びついてくる
いつだって君は僕を試すのが大好きで
僕はそんな君が大好きなんだ
目が覚めると
飛び込んでくる朝日の眩しさ
隣の部屋から聞こえてくる調理の音に
うっすらとただよってくる良い香り
目が覚めると
いつだって君が朝ごはんを作ってくれている
申し訳なく思いながらも
ついつい甘えてしまう
いや
こういう時は、有り難く思うのが正解なのか
布団から出て伸びをする
軽く両頬をはたいて目を覚ましてから
隣の部屋への襖を開ける
おはようとありがとうを言うために
私の当たり前
朝ごはんはふわっふわのクロワッサンにミルクティー
ヘアスタイルもふわふわカールに仕上げて
シフォンのブラウスレースのスカートで一回転
いつだってそれが私の当たり前なの
覚えてよね
たくさん歩くのは苦手だから車で迎えに来てね
デートコースは流行りのお店じゃなくてもいいけれど
やっぱり可愛いお店がいい
きれいなお花畑お土産は大きなベアーのぬいぐるみ
期待してるね
夜はきれいな夜景を見ながらたくさんお話したいの
すてきなこと可愛いこと好きなこと
悲しい話や真面目な話は今はいらない
キラキラした毎日を当たり前にしたいの
わかってよね
街の明かり
この街は眠らない
夜の帳が下りた後も
煌々と明かりが灯る
この街の明るさは
そのままこの街の闇
この街の影に紛れて
俺は今日も仕事を始める
七夕
年に一度しか逢えないふたり
世の中はそれを美化して語る
だけど
僕はそんなのは耐えられない
毎日君に逢いたい
だから
流れ行く星に願いを掛ける
永遠に共にいられることを