木弓るん

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7/1/2023, 11:31:28 AM

窓越しに見えるのは

おおきな木
ところどころにはえる草
はいいろの塀のうえに
きりとられたあおい空

それが全てだったぼくのせかいに
ある日きみがあらわれた

透明な板をへだてたこちらとむこうがわ
きみはなんどもぼくの前にあらわれて
やがてぼくのごしゅじんさまが
きみもかぞくにむかえてくれたんだ

おおきな木
ところどころにはえる草
はいいろの塀のうえに
きりとられたあおい空

窓越しに見える世界は変わらないけど
きみといっしょに見る世界は
前よりもきらきらとかがやいてみえるんだ

6/30/2023, 11:27:51 AM

赤い糸

それは、人には見えぬもの
それは、人にとっては不確かなもの
だけど、決して切れることのない
細くても、確かな縁

赤い糸と呼ばれるけれど
その色は人には見えない
ならば、何故赤なのか
想いの色、情熱の色、血の色

人には見えないから
人は、誰と繋がっているのかわからない
君と繋がっていたい
永遠に、確かな誓い

6/29/2023, 11:51:08 AM

入道雲

外に出た途端
眩しさと熱気にたじろぐ
お店の冷房が効いていたぶん
暑さが強く感じられる

ひと雨きそうだね

僕の後ろから
君が声をかける

確かに
行きと比べて
ずいぶんと雲が大きくなっている

急いで帰ったほうがいいかな

ふたり並んで
入道雲を背に歩く
古い我が家には冷房はないけれど
雨が降れば少しは涼しくなるかな

6/28/2023, 12:24:42 PM



夏は嫌いだ
あついし
べたべたするし
やる気が出ない

開け放った窓からは
やかましいほどの虫の声
行き交う車の音
期待していた風なんて
一ミリも入ってこない

あつー

何度目がわからない呻きをあげて
床を転がる僕に声がかけられる

何ころころしてるのよ

だって、あついじゃんー

いつの間にか
君が僕をのぞきこんでいる

素麺買ってきたよ
お昼にしよう

君は微笑んで台所に立つ

ああ、薬味は僕が切るよ

そう?じゃあお願い

僕も、君のとなりにならんで立つ

夏は嫌いだ
あついし
べたべたするし
やる気が出ない

だけど

君と過ごす夏は
嫌いじゃないかもしれない

6/27/2023, 12:37:05 PM

ここではないどこか

瞳を閉じると、緋色に染まる水平線
ある時は光あふれる鍾乳洞を探検し
またある時は闇の中で小さな灯りを探す

君と見たい景色
君と行きたい場所

いつだって、
ここではないどこかに思いを馳せる

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