街
人混みの中、特にあてもなく歩く。
活気に溢れた街を歩くのは、嫌いではない。
大勢の人間が思い思いに歩いていて、
自分の存在を消してくれるから。
だけど。
活気に溢れた街を歩くのは、少しだけ苦しい。
道行く人々はみな笑顔で。楽しそうで。
自分一人が、取り残された気がするから。
やりたいこと
やりたいことができたの。
君はそう言って、それきり。
君から連絡は来なくなったし、
僕から連絡しても、そっけない。
嫌われた訳ではないのはわかっている。
だけど。
寂しいし、焦燥感にかられる。
君の声が聞きたいけれど、今は迷惑だろう。
どうすればいいのだろう。
いっそ、
僕もやりたいことを見つけるべきだろうか。
やりたいこと。
何かあるだろうか。
君と遊びに行きたい。
一緒にご飯を食べたい。
キスもしたいし、その先もしたい。
考えれば考えるほど、君のことしか考えられない。
朝日の温もり
眩しさに、目が覚める。
まだ起きるには少々早い時間。
日が出るのも、早くなったものだ。
横には、穏やかな寝顔を君。
温かな光に包まれて、幸せそうな君。
僕の心も、温かくなる。
贅沢な朝のひととき。
僕は再び、まどろみに身をゆだねる。
岐路
旅路は、いつだって選択の連続だ。
どこへ行くか。いつ行くか。どんな手段を使うか。
選ぶことには慣れている。
だが。
この選択には、なかなか結論を出せずにいる。
自分の人生だけでなく、
君の人生を変えてしまうことにもなるから。
だけど。
選ばなければならない。
君が、辛い思いをしないためにも。
世界の終わりに君と
もうすぐ、世界が終わる。
知った時には信じられない気持ちだった。
少しづつ白く塗りつぶされていく空。
静かになっていく世界。
漠然と知っていたことが、
少しづつ実感を伴っていく。
怖くない訳がない。
自分が。大切な人が。
この白に塗りつぶされた時どうなってしまうのか。
考えただけで震えが止まらなくなる。
だけど。
定められた未来に抗う術なんてなくて。
せめて、隣りにいる君の手を握る。
この世界が終わっても、一緒にいられるように。