指の腹だけで
あなたと解るならば
仮に暗闇の中であろうと
誰、と問う事もなく
見付けられるだろうか

大地にしがみついて

自分の場所を護っている

そんな君から見て

この世界はどうだい？

冷えていく温もりが
君が居た事を教えてくれている

暫くして気が付いた
生きてきた数学を誇れるように

君の左手の形に　空気を掴んでいる掌
ギュッと温め直し　思い出に変えたら

この足と共に　また行こうか

誰かの心に触れたくて
思ってもいないような事を
風船みたいに膨らませて
傷口を手当たり次第に触ったんだ

ありきたりな言葉を
どれだけ遠回しに言えるか
書いたら消して繰り返し
結局それっぽいだけで中身空っぽ

そんなはずなのに　溢れたゴミ箱が
何か叫んでいる気がした

愛されたくて　恵まれた事を隠した
可哀想な僕が僕なんだって
勘違いした　それでも尚　続けている

同じような面している　自分がただただ可愛い

それだけの事　僕のための嘘に
救われたとか言うやつを見下していて
誰よりソイツに縋り付いているんだ

高く飛べた羽が邪魔になって

同じくらい離れている現在地

形にしたから見上げると

悲しいくらい

自分の位置がよく解る