野菜大魔王

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1/30/2025, 4:28:46 PM

どこかで同じように生きている
多分 街ですれ違っただろう

ありふれている 日常に紛れている
そこに君が居たって事 教えてもらってないよ

時計に応える心臓 どれだけの線が交わるの

1/29/2025, 4:02:34 PM

太陽から逃げるようにして入った、

秋に染まる準備をしたトンネルで、

掬われなかった光をけんけんぱ。

街路樹が吹き抜ける風と共に歌った。

1/28/2025, 2:13:02 PM

帽子を被り直し、深く息を吸って、
ゆっくり吐きながら、構えるお前の位置を確かめる。

汗の匂いと土の色。
夏の日差しに照らされたグラウンド。

歓声や蝉時雨よりも、
ハッキリと聞こえた気がした、
尾を引く飛行機の音。

右手に強く握ったボール。

お前に届く事を願って投げた。

1/27/2025, 4:35:47 PM

一人分の宇宙で隠れるように息をして

何かで笑って何かで泣いて

グーにしてポケットに突っ込んだ

弱音を落とした

勇気と名付けられた小さな穴

1/26/2025, 3:32:18 PM

タイトル【日常のより道】
文字数 400文字くらい


 日常に不似合いな声を聞いた。
 それは獣の咆哮のようでもあったし、人の断末魔のようでもあった。直後、ドン、と何かが落ちた鈍い音が耳に飛び込んできた。逃れられぬ人のさがなのだろう。私は咄嗟に、思うにスタートの合図を待つ陸上選手さながら、あるいはそれ以上の神経で、声のした方へ顔を向けた。
 刹那、落下する黒い影が、私の視界の端を掠めた。
 根拠があったわけではないが、私は人が落ちたのだと思い、視線を落下したであろう地点へ動かしてみるが、そこには何も無かった。
 先ほど歩いた、ひび割れたアスファルトだけが、ただただ伸びているだけである。
 呆然と立ち尽くしていると、ある考えによって全身が粟立った。
 因果が逆だ──
 生存本能に従うように、踵を返しそそくさとその場を後にした。その時、道の傍に栓の開けられていない缶のコーラと明らかに添えられたであろう名も知らぬ花があるのを見た…………。

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