6/28/2024, 4:31:00 PM
電車に揺られ、ただ遠くを目指す。
誰も知らない場所へ、只管に、遠く、遠く。
終着駅はよく知らない田舎町。
昼に出た筈が、もうスッカリ夜である。
とりあえず、持参した縄を片手に森へと入った。
森は夜に塗られていて、蛍が宇宙を創っていた。
生まれた光の後を追って、産声が空に谺する。
近くで祭りでもやっているのだろう。
祭囃子と篝火の明かりが、
木々の隙間から微かに覗いている。
全く、
これから死のうってのに煩瑣いったら、
ありゃしない!
いま正に、一人分の呼吸が消えると言うのに、
世界は随分と暢気なものだな。
6/27/2024, 12:26:33 PM
人は誰かになれるけれど、代わりにはなれない。
ここでないどっかに居るあなたも、その一人。
過去は思い出す事は出来るけど、選べないから。
6/26/2024, 4:14:43 PM
朧げな街の背に 走った帰り道
どうして こんなに焦っているのか
怖いくらいに 真っ赤な空の下
信号を渡る影 あれは君の形だった
何か言えば 違ってたのかな
多分そんな事も 無かったりして
置いていかれた 抜け殻が
君と居た証拠で そっと教えている
6/25/2024, 4:37:28 PM
花が咲いていた 触ったら砕けそうな
ガラスみたいな花
引っ込めないで 手を伸ばした よく晴れた日
触れた時にだけ 覗ける心があったよ
痛みも少しだけ
たとえ君を傷付けたとしても 知りたかったから
6/24/2024, 11:06:35 PM
桜が綺麗だった丘は 僕等だけの秘密の場所で
またここで会おうね 小指結んで作った約束
電車が遠ざけていく 見えなくなるまで手を振った
一年後の今日 同じ場所で一人で桜を見た時
不意に思い出したあの日の事
叶うのはいつだろうか 君はまだ覚えているのかな