野菜大魔王

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1/17/2024, 3:23:38 PM

冷たさを増して、風に色が着く

人の世に似ている気がする

1/16/2024, 5:34:20 PM

あれこれ綺麗なモン詰め込んで
出来上がったのはとても醜いもの

言葉に直して丁寧に並べた本音
無駄なくらい丈夫に造られた盾と剣

話し合ったり 鏡を見たり
そのどちらも殺し合う事なのかも
疑った優しさ 悪魔か天使か
取捨選択 間違えたらすぐに迷子

1/15/2024, 3:22:50 PM

逃げようとして後退り その内ぐるりと周り
辿り着いたのは同じ場所
ただいま、どうやら戻って来たみたい

たまにちょっと乱れて 気が付いたら元通り
命の音色 重ねて繋がった世界
幾つか失くなったとしても星は廻る

それが普通で とても当たり前の事

暗くて良かった だって 気付けたから

普段は使わない 「ありがとう」
少しだけ素直になれた気がするよ

1/14/2024, 8:28:44 PM

彼はいつも眉を顰めている。
ちょっと怖い。けど、何だか少し大人っぽい。
どうして睨むの、と訊いたことがある。
すると彼はこう答えた。

「目が悪いから」

眼鏡を掛けたら、と私が言うと

「眼鏡は見え過ぎるから嫌い」と言う。

「じゃあコンタクトは?」

「付けるのが怖い」

面倒なヒト、と思ったと同時に、
意外とかわいいトコあるな、と思った。

1/13/2024, 1:40:24 PM

 朔の夜に咲く花、鯨飲馬食の態でどんちゃん騒ぎ、あちこちで踊る人に唄う人で、街は騒がしい。飲食店で私が食事をしていると、近くのテーブルから侃侃諤諤と話す聲がした。何を話しているのだろう、そう思って調律師の如く耳を澄ましてみる。

「夢ってのは子供の戯言だ。大人になると現実を知って、出来ることと出来ないことが分かる。そうすると大言壮語も憚られる」

「それは君、そもそもが間違っているよ。夢は飽くまで見るものであって、叶えるものなんかじゃない。手に入らないから語るんだ。大人になったって、手に入らないものは沢山あるだろう。出来ないからって、嘯くことすら遠慮する理由がどこにある」

「夢は醒める。叶えようとする情熱も、不可能だと知ったら冷めてしまうじゃないか」

「二度寝すれば、続きとはいかないものの、夢はまた見れる。醒めたなら、もう一度夢を見ればいい。熱も冷めたなら、温め直せばいい」

「綺麗事だなア」

「人はね、馬鹿にしていた綺麗事にこっそり救われているものなんだよ」

 食事も忘れてスッカリ聴き入ってしまった。お陰で夕餉は死んだかのように冷たい。言葉を反芻する。
『醒めたなら、もう一度夢を見ればいい。熱も冷めたなら、温め直せばいい』
 なるほど、慥かに温め直せばいいな。しかし飲食店だとそうもいくまい。外食したことを少しだけ後悔した。

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