12/18/2022, 9:11:12 AM
目を見よう。今日こそは。
僕は君の声を知っている。低く,落ち着いた,それでいてまるで踊るような話し声。
小さな口からこぼれ出るとりとめのない話を彩るそれは,僕の心を走らせる。
走って走って先回りして,君が通る道を開くのだ。終わらない話のなかで,ただ君の行く先を見つめる僕と一生交わらない君の視線を探すのだ。
終着点の無い道はいつか壊されてしまうのだから。
せめて綺麗な内に僕の手で
12/16/2022, 2:20:36 PM
『風邪』
風邪の引き方を知っているか。
大したことはない。
薄着で寒空の下を散歩する,これだけのことだ。
凍る空気の鋭さを,自らの体で体感し,その美しさに恍惚とするのだ。踊るように,私をとどめる薄氷のなかを突き進んで,進んで,進んで,うだるような暑さを体のなかに宿すのだ。