『距離』
物理的な距離と心の距離。
物理的な距離が、近いからと言って、
心の距離も、近い訳では無い。
心の距離が、近いとしても、
物理的な距離は、遠いかもしれない。
人によって、距離は異なる。
パーソナルスペース、とでも言うのだろうか。
自分には、自分の。
人には、人の。
適切な距離がある。
それを見定めるのは、難しいけれど、
見定めた後に見えてくるのは、真の信頼関係、
なのではないだろうか。
『泣かないで』
「泣かないで」
なんで?
じゃあ、泣かせないでよ。
『終わらせないで』
僕の長い片想いが実ったのは、君の勝手で気まぐれ。
半年前、君は彼女と喧嘩別れをした。
その時、君はやけくそになり、偶然近くにいた
親友である僕と勢いで交際に及んだ。
僕の長い片想いは実った――望まぬ形だったけれど。
交際といっても、やる事やって、
他は⋯⋯この関係になる前と、なんら変わりはない。
こうやって、君の都合と気まぐれで勝手な、
望まぬ形の交際が始まったのにも関わらず、どこか
嬉しく思った自分がいる。
君といる時間は前よりも、格段に増えて、
毎日が楽し過ぎて、ずっとこの関係が続いたら、と
そんなことを考える日々を送った。
いつか、こんな日が来る――覚悟はしていた。
半年経って、君にはちゃんと、女の子の好きな人が
できたんだ。
長い片想いが、実ったと思えば――。
時間が経つと落ちて消える、線香花火のように――
すぐに、消えてしまう。
君は泣いて謝りながら、僕に別れを告げる。
「大丈夫だ」と、笑って許すことしかできない。
人の片想いを――勝手に実らせた責任、
しっかり取れよ。
勝手に始めた僕らの恋を、勝手に終わらせんな―― 。
『宝物』
君がくれたこの気持ち。
君に会えるだけで、楽しみすぎて夜眠れない。
君に会えた時、途端に鼓動がうるさくなる。
君が笑ってくれると、僕の心は幸せで心が
いっぱいになる。
全部、全部、君が僕に教えてくれた気持ち。
君に出会うまで、知らなかったこの気持ち。
誰かを"好き"になる気持ちより、
もっと大事で温かい、誰かを"愛する"気持ち。
今日は、感謝の気持ちを込めて――。
僕は、君と生涯を共にしたい――。
僕と、結婚してください。
『キャンドル』
キャンドル。
僕は、それを命の灯りと同じだと思う。
人の、命の灯りが燃えれば燃えるほど、
寿命が縮んでいくように、キャンドルも灯り続けると
溶けて縮んでいく。
キャンドルに灯された灯りが尽きるときは、
人で言う、寿命が尽きるとき。
キャンドルの灯りと、命の灯りは、同じなんだ。