鳥のように空が飛べたら良いのに。
鳥のように自由に羽ばたきたい。
この現実世界から簡単に出られればいいのに。
私は重力には逆らえない。
逆らうことはできない。
だからこの足枷も外すことはできない。
現実という足枷を。
自分の足を切り落とす勇気もない。
だからここで一生過ごしていくのだろう。
あの鳥を羨ましく思いながら。
■テーマ:鳥のように
※ギャグストーリーです。
「おい!ユウナ!!」
「は!?タカシ!?あんた、なんで……」
「お前!急にLINEで『好きな人ができました。さよなら』って送ったんだよ!!」
「そりゃあ、あんたの顔が見たくないからよ!あんたみたいな細かい人間、もううんざり!さっさと別れたくなっただけよ!」
「違ぇよ!そんなことじゃねぇ!!」
「何よ!?さよならを言う前に会えば良かったってこと!?」
「それも違ぇ!!」
「じゃあ何よ!?」
「『さよなら』じゃなくて、『さようなら』だろうが!普通は!!」
「……あ」
「あ?」
「……あんたのそういうとこが嫌いなんだよ!!!」
「ぐぇっふっっっ!!!!!!!」
こうして、タカシは人生で最大で最初で最後の素晴らしいアッパーを元カノから食らうことになった……。
そして、通りすがりの一般人の目にも止まり、その街では「クリティカルアッパー伝説」として世に刻まれたのだった──。
■テーマ:さよならを言う前に
夏の空が好きだ。
雲がくっきりとして美しいから。
今日は積乱雲が青空を駆けている。
これから空模様が怪しくなるんだろうなぁ。
そんな夏の空が好きだ。
■テーマ:空模様
私はいつから遊んでないんだろうか。
最近、仕事が忙しくて、全然友達と遊べていない。
誘いも断ってばかりだ。
上司にも怒られてばかりだし、なんにも上手くいってない。
帰ってきてもしんと静まってる家。
思えば全然部屋の片付けもしてない。
疲れた。眠い。
とりあえず、手を洗おう。
ふと洗面所に立つと鏡に目が止まる。
やつれた自分がいた。
変な顔。ブスだなぁ。
鏡の前でにらめっこでもしてみるか。
私は変な顔をしてみた。
なんとも笑えない顔。
「……ふふっ、ふ」
マジで笑えない。
変な顔過ぎ。
「……あ〜あ」
ずっと我慢してたんだなぁ。
自分でも知らないうちに仮面着けてたみたい。
鏡を再び見ると、泣いている自分がいた。
いつの間にか泣いてたのか。
……結構疲れてたんだなぁ、身体も、心も。
「……明日、会社休もっ」
※BMK「アッカンワラベー」という曲をモチーフにしています。
■テーマ:鏡
自分語りになるが、いつまでも捨てられないものですぐに思い出したのはうさぎのぬいぐるみだ。
ハートがプリントされた白いリボンを胸に結んだピンク色のうさぎのぬいぐるみ。
小さい頃の私はとてもお気に入りだった。
現在、約20年経ったが今も飾ってある。
きっとこれからも捨てられないのだろう。
※ちなみにうさぎのぬいぐるみの名前はNOVAうさぎでした。別に普通のぬいぐるみだったのですが。
■テーマ:いつまでも捨てられないもの