忘れたいのに。
もう、何一つ、いらないのに。
髪の巻き方からまつげ、目の大きさから鼻の高さ、身長だって...なんだって覚えてる。
ふとしたとき、君のことばっかり考える。
もう、居ないのは分かってるのに。
君は僕から、離れてしまったのに。
僕の心は、支配されたままだ。
#忘れたいのに忘れられない
高く高く、もっと高く。まだ足りない。まだ届かない。
空高く伸ばした手が空を切る。どれだけ伸ばしても、雲には届かない。
...そんなふうにぼぅ、っとしていると、不意に何かが僕に触れた。
「うぁぁっ」
思わず声が出た。
「ふふっ......あははっ...」
笑う君を見て、少し安堵する。不審者じゃなくて良かった。...それと共に、急に顔が熱くなった。恥ずかしい。こんな声を出してしまうなんて...正直聞かれたくなかった。
「えへへ、ごめんって。驚いた?」
...言わなくてもわかるでしょ......そう思いながらも、可愛い質問に、反射的に答えてしまう。
「びっくりしたよ......もうっ」
「ごめんってぇ...ねぇ、何してたの?」
「空、見てた。」
できるだけ、そっけなく答えた。その方が、かっこいいし。...雲をつかもうとしてたなんて、恥ずかしくて言えっこないし。
「へぇー、そうなんだぁ、、、え、なんか赤い?」
...思い出してたら、なんか恥ずかしくなった......なんて言えるはずがなく。
「なにがだよっ!?べ、別に赤くないだろっ!」
思ったより大きな声が出た。つい怒鳴ってしまった。...指摘されたせいで、さらに顔が熱くなっているのを感じる。
「あっはは、なんか可愛いかも...」
「お前はまたっ...ほんとに、そんなこと言ってて逆に恥ずかしくないのかよっ!?」
「事実だしねぇー」
また、顔が熱くなった気がする...もう、ゆでダコみたいになってると思う。
...そんなふうに思ってたら、彼女が不意に言った。
「...そうだ、見てよこれ!」
彼女に差し出されたものをまじまじと見つめる。...なにこれ、モクモクしてる...吹き出し、てきな?
「なに、これ?」
「雲!」
...なんでこんな嬉しそうなんだ?...反応に困る。
「...おお」
そんな、適当な言葉が口から出る。
「...なにするか、わかってないでしょ」
「...まぁな」
「見といてよ...!ほら!」
そういった彼女は、雲を握りしめて手を上に伸ばした。
「...?」
まだ俺がわからないままでいると、彼女は
「みて!雲、つかめたよ!」
そう言って、ニッと笑った。
「...!?まて、お前...俺が雲つかもうとしてるの、見てたのか!?」
「さぁ、どうだろうねぇ?」
「お前っ!!!!」
「あははっ...w」
君は、太陽みたいに笑った。その笑顔が、何よりも眩しかった。
力を込めて
塗りすぎたのかな
ハートが破けた
#力を込めて
君は、愛おしい。
目がおっきくて、鼻と口がちょこんとついたような顔がかわいい。
吐息まじりのちょっとかすれた低い声がかっこいい。
女の子らしい仕草がいちいち丁寧で綺麗でかわいい。
長くて少し巻いてある、ツヤツヤの髪の毛が美しい。
僕が話しても無視をする、少しつっけんどんなところがまたかわいい。
僕が「好き」って言うと「...キモ」って恥ずかしそうに、ツンツンしているのがかわいい。
...こんなこと言ったら引かれるから絶対言わないけど、正直食べたい。
でも、終わっちゃった。君を毎日眺めている日々が。君と話していられる日々が。ずっとあのままが良かったのに。あのままで良かったのに。
僕には何が悪かったのかわからない。気持ち悪いことは言わないようにした。ふざけるのもほどほどに、清楚でいようとした。ちゃんと会社に行って、お金を稼いだ。
#過ぎた日を想う
あれ、お嬢さん一人?
ふぅーん、そーなんだー...じつは、僕も一人なんだよねぇー...
はい、言いたいことわかるでしょ?...わかんない?嘘だぁ。...じゃあ、何が言いたいか、ト・ク・ベ・ツ・にっ、教えてあげるよ。
「それなら僕と踊りませんか。」
ふっ、こんな格好いい僕に誘ってもらえたこと、感謝しなよっ.........
......え。だめ...!?なんでよぉぉぉぉ!
#踊りませんか