『飛べ』
小さな小さな青いトカゲがいた。本当に小さくて、最初見たときはトカゲだと認識出来なかった。
小さいは可愛い。トカゲでも可愛かった。
しかもトカゲは飛ばないから安心だ。
え?これは『飛べ』じゃないって?
うん、今日は反抗期らしい。
どうしてもお題に沿わせたくなくてね。
そんな日もあるよね。
special day
ありふれた日常をspecial dayに変えるのは簡単なこと。
やりたいことをやればいい。
おしゃれして、カッコつけて、バーで飲むもよし。
上等なワインを開けるもよし。
可愛い猫さんを愛でるもよし。
作品を仕上げるもよし。
買ったまましまってしまったダイヤを付けてもよし。
遠い記憶のあの人を思い出すもよし。
何だっていい。やりたいことをやろう。ありふれた日常がほんの少しだけspecialになるように。
『揺れる木陰』
いつも歩いていた道を車で通るようになり、いつもは気付けていた揺れる木陰に気付けなくなった。
スピードが違う生活に慣れてきたけど、大人ってこんなにもつまらないものなのだろうか。
またいつかあの道を歩こう。揺れる木陰に思いを馳せて。
『真昼の夢』
木漏れ日の柔らかい静かな森で
風のいたずらが光を揺らす
さわさわと踊る陽の網目は
草の波間に降り注ぎ
まどろみのまぶたを捉えて離さない
木の間の青い空は夏らしい雲をぶらさげて
葉っぱの影で行ったり来たり
夏の暑さも遮ってまどろみのまぶたは閉ざされた
ふっと 声がして振り返る
誰もいない
あの人の声に似てたけど
これは夢を見ているのかしら
それとも夢に見られているのかしら
真昼の夢の幻は揺れる木漏れ日まどろみの夏
『二人だけの。』
え?「二人だけの。」?「。」←これ要る?
そんなところに句点されると、無視するしかないかも...
ってことで、創作してみます。
『二人だけの』
「ふたりでソロキャンしない?」
彼女からの提案はいつも突然だ。
「ふたりでキャンプしたらソロキャンじゃなくね?笑」
すかさず返信する。キャンプへは行きたいが、とりあえずツッコめるところは突っ込んでおく。
「ふたりで行って別テントならソロキャンっしょ?ヒトカラと同じ感じ」
呆れつつため息をつきながら「いいよ。わかった。」と、返した。このソロキャンが、一生忘れられない出来事になるなんて、この時は思いもよらなかったのだ。
僕らは山で遭難した。二人だけの生死をかけた戦いだ。