「太陽」
眩く光り輝く貴方様。
貴方の、貴方の光をどうか、どうかこちらに少し向けていただけませんか。
貴方の輝きを以ってでしか輝くことの出来ない惨めで可哀想な私に、どうか、貴方の光を──。
貴方様の光があれば、私はきっと、明日も明後日もその先も、ずっとずっと、貴方様の光を頼りに生きてゆける、そう思うのです。
嗚呼───。
貴方様の光───。
とても暖かくて、眩くて、まるで貴方様と一体化しているかのよう……。
ありがとうございます、ありがとうございます……。
感謝してもしきれません。
この光でこの先もずっと、貴方様の光と共に、生きてゆきます…。
どうか、貴方様も、貴方様自身が灯す光と共に、末永く光り輝いてくださいませ──。
テーマ:きっと明日も
※創作
「SNS依存性」
暗闇、静寂に包まれた午後11時の部屋。
私は一人ベッドに寝転がりながら、スマートフォンと向き合っていた。
SNSをただひたすらに見漁るこの時間が、どんな事よりも楽しく、どんな事よりもくだらなく感じる。
それでも、毎日のようにスマートフォンと向き合ってしまう。
こんな事してるならさっさと寝るか勉強すればいいのに。
そんなことを考える回数も少なくはなかった。
(明日も学校があるのに…)
なんて思いつつ、それでもスマートフォンを触る手は止められない。
学校にいれば休み時間はみんなスマートフォンを触り、外に出てもあちこちでスマートフォンを触る人がいる。
どこに居てもスマートフォン、何をしていてもスマートフォン、スマートフォンスマートフォンスマートフォン。
自分で言っておいて何だが、今の時代はインターネットに支配されていると思う。
勿論私も例外では無い。
夜遅くまでスマートフォンを触り、睡眠不足のために寝坊することが多々ある。
改善したいと思う気持ちだけはいっちょまえにあるが、やはり楽しくもくだらない時を過ごすのは中々辞められないものである。
『さて、寝るか。』
スマートフォンの電源を落とし、私は布団に潜り込み寝に入る。
きっとずっとこの先も、スマートフォンに囚われて生きていくんだろうなぁ、と心の中で思いながら。
テーマ:静寂に包まれた部屋
※創作
「告白」
『月が綺麗ですね。』
満点の星空と満月の下で、私は貴方に告げた。
それは、ただの一人言では無く私の愛する人へと向けた、一種の告白の言葉。
含みのあるものにしようか、然りと想いを伝えようか、どんな時でも常に考え続け、含みもありつつ然りと想いが伝えられる『月が綺麗ですね。』に決めた。
想いが通じるかどうかは分からない。
通じ合うことが出来れば、それに超したことは無い。
合わなかったとしても、想いを伝えられればそれでいいと。
その時の私は思っていた。
想い人は私に背を向けて歩き出し、少し離れたところで立ち止まった。
そして、想い人は私に告げた。
『私は太陽の方が好きです。』
と。
テーマ:別れ際に
※創作
「エピソード記憶障害」
そんな病名が僕に付けられた。
体験した出来事である「エピソード」を、きちんと思い出せない事らしい。
たかがそんな事で病名が付けられるとは思わなかった。
でも、たしかに僕は今まで生きてきた中で覚えていないことが多い。
小中学生の時の記憶はほとんど覚えていないし、高校生の時の記憶も既に曖昧になってきている。
思い出そうとしても、まるで思い出すことを拒否するかのように、通り雨のようなノイズがかかって思い出せない。
もっと歳を取っていったら、これみたいにノイズがかかって思い出せなくなることが多くなっていっちゃうのだろうか。
そんなことを考えていた束の間。
『あれ、何してたっけ。』
今まで何をしていたか記憶にない。
僕は今、何を───?
テーマ:通り雨
※創作