たなか。

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7/23/2023, 4:19:25 PM

【花咲いて】

花咲いて枯れてしまうなんか、そんな曲。その曲が忘れられずにいた。無駄に頭に残るから。タイトルとかはパッと出てこないけど便利だと思う、歌詞うちゃ出てくるんだから。
「その曲聞いてんの?」
「ん。」
まだ3日目。朝にずっと聞いてるだけ。曲のストーリー的にはきっと報われていないものだと思う。でも、なんとなく。ぐるぐるとする。俺がこの曲を初めて聞いたのは数ヶ月前。ループし始めたのは3日前。花が咲いて枯れてって幸せになれないような曲。きっと今日も昨日と同じような日になるんだ。帰ってきて夜寝ればまた明日の朝。ずっと忘れられない曲がある。
「その曲聞いてんの?」

7/22/2023, 4:23:14 PM

【もしもタイムマシンがあったなら】

もしもタイムマシンがあったなら何をしたんだろう。どこの時間に戻ってどこを変えればよかったか、とか。未来に期待寄せたりとかさ。そんな希望なかった。だって、無いから。過去も未来も行けやしない。前だけ見たって未来があるのかすら分からない。私今どこにいるっけ。急に何処にいるのか分からなくなって足元がおぼつかない。
「立ちくらみでもした?」
あ、そうだ。今日は祭りで境内の方まで来たんだ。出店がないから人が少ないと思って。地元の祭りだ。本当に人は少ない。
「いや、大丈夫。ちょっとボーッとしてた。」
だから、タイムマシン。この神社は過去も見てきたしきっと未来も見てくるんだ。だから、タイムマシン。ちょっと羨ましいな、とか思ってさ。希望持ってエネルギーに期待してもいいのかもしれないね。

7/21/2023, 4:58:03 PM

【私の名前】【今一番欲しいもの】

「私の名前は、忘れました。だから、今一番欲しいものは名前なんです。貴方が名付けてくださいませんか。」
彼女の口から最初に聞いた言葉がこれだった。人ならざるものと近い暮らしをしているとこういうことがままある。名前をくれ、なんて自分を縛ってくれと言っているようなものだ。だから、名前は付けたくないけど名前が無いのは危険だから。
「君の名前をさずけよう。」
そんなことを言って縛る、繋ぐ。どんどん心に汚いものを貯めていく感覚は気持ち悪い。名前を付けることが、人ならざるものと仲良くなるのが嫌なんじゃない。少しづつ縛っていくさまがアホらしくて嫌なんだ。中途半端なんて苦しめるだけなのに。
「ありがとう。」
そう言われる度に罪を重ねたことを自覚させられる。
「僕の名前もつけて欲しい。」

7/19/2023, 8:45:32 PM

【視線の先には】

視線の先には矢印があった。なんの矢印かって? そんなの知らない。ただ、そこにあっただけ。きっとこれが俺の行くべき道なんだろう。矢印が無くなるまで止まるまで歩いた。たまに走った。それでいいと思った。

7/18/2023, 2:48:56 PM

【私だけ】

私だけ、いつも私だけだ。なにか言うまでもない。あれも私これも私。功績も責任も全て。すごい、素晴らしいだの賞賛の言葉やがんばれ、もっと出来るなんかの責任を求める言葉。みんな私を見てる。失敗したら笑われてしまうんだろうな。私は失敗しないとみんな思っているんだ。だからこそ。失敗してしまったときの代償はでかい。なんで、私だけなんだろう。あの子やあいつ君でもよかった。それなのに、私なんだ。素敵になるのも息苦しさに溺れるのももう飽きたんだ。
「私だけの呼吸。」

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