たなか。

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5/22/2023, 2:49:50 PM

【昨日へのさよなら、明日との出会い】

「これで最後だね、さよなら。」
君はその言葉だけを残して消えていった。悲しませない。約束したのに。契った自分に恨みを込めて少し、小指を爪で摘む。赤い糸は重い鎖になって、まとわりついた。
「小指なんて結ぶんじゃなかったや。」

5/21/2023, 2:59:48 PM

【透明な水】

湧き上がってきた感情は透明な水に似てた。僕の怒りを全て無に変えていく感じ。初めてじゃない、戸惑っただけ。
「やめなよ、母さん。」
怒鳴り声は何回目か。理性が消えていく瞬間はどんな感じか。頭がおかしくなりそうだって兄さんは離れていった。それなら僕は?
「私のこと捨てないわよね?」

A.逃げられないだけだ。

5/20/2023, 3:43:00 PM

【理想のあなた】

鏡合わせで理想のあなた。私と手を合わせて入れ替わり立ち替わり遊びましょう。私はこっちが嫌であなたはそこから逃げ出したい。それなら、私があなたにあなたが私に代わってくれる。
「手と手を合わせて手に入れたいものを傍に手繰り寄せただけ。」
それが言い訳でもいいと思えた。私はあっちには戻りたくないの。手と手を合わせられはしなかった。ただ、あなたが朽ちるだけ。綺麗な花に優しくはなかったのね。
「ごめんね。」

5/19/2023, 3:30:42 PM

【突然の別れ】

誰が信じるだろう。突然の別れと言われても実感があるわけでも現実味が急に湧いてくるわけでもない。それでも、別れたんだ。今更、言葉足らずを気にしたって不健康さを笑ってくれる人はいなくなった。あの時、飲み会なんて言わずにちゃんと手料理をふるまってもらえばよかった。沢山思い出があって、沢山の想いを抱えて生きてきた。悩んで、悔やんで。
「失格だったかな。」
きっと、いい人にはなれていなかった。最初から見てたわけじゃなくて途中から許されただけ。偶然、彼女の強さと弱さを見守る機会を許された。それだけ。
「笑ってよ。」
世界一綺麗な君。笑わせてくれてありがとう。
「結婚おめでとう。」

5/18/2023, 3:18:13 PM

【恋物語】

こんなことになるなんて誰が想像していただろう。告白されるならもっと早めに予兆が欲しかった。心の準備、焦った僕の恋物語。なんて、無様で綺麗とはとても言えないような馬鹿みたいな物語。優しい顔して突き放すからだ。
「ごめんね、諦めて。」
何も言えなかった。焦って伝えなければそうなるなんて誰も言ってくれはしなかった。
「諦めなくてもよかったのに。」

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