【忘れられない、いつまでも。】
言葉にするとあやふやになって触れようとすれば一瞬で消えてしまう。それでも、貴方が記憶に残ろうとするからだ。忘れられない、いつまでも。繰り返さない、どこまでも。そういう約束。私、今日から迷わない約束よ。
【一年後】
一年後、この地で会うと約束したのに君は来ない。今日がその一年後だってのに。それもそうか。君殺されたんだっけ。夜に通り魔に。許せないよな。約束を果たせないなんて許せない。復讐に来たんだ。
「みぃつけた。ダメじゃないの。そんなに分かりやすく隠れちゃ。」
一振り。バシュッ。血しぶきが飛んで返り血がつく。これで、君との約束は果たせなくても僕は満足したよ。
【初恋の日】
初恋の日、泣いた。好きな人に好きな人がいた。恋を自覚した日に告白しているところを見てしまったんだ。不幸な事故。そこから始まる恋があってもいい?
「なに、泣いてんの。」
慰めとか来てほしくなかった。ずっと隣にいないでほしい。でも、どこかで安心していた。隣に来て私の涙を心配してくれる人がいる、と。
「泣いてないけど。美味しいものが食べたい。」
「ラーメン食い、行くか。」
「ん。」
そうやって、手を引いて私を笑顔にしようとする。
【明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。】
明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。美味い飯をたらふく食いたいとかになるのかな。いや、推しを間近で見ることかも。話しかけるとかじゃなくてただ、見るだけ。迷惑になりたくないからただ、幸せそうな最期を見たいだけ。まぁ、飯にそんな興味があるかと聞かれれば推しよりはないけどなんとなくはある。そんなもん。でも、明日世界がなくなったら推しの晴れ舞台見れねぇな。ライブ、その一週間後だもんな。シャレにならん。
「はぁ、こんなこと考えても無駄か。」
ふいに無音が気まずくなってテレビをつける。
『明日世界が終わると、大昔に予言されていました!』
テレビのくだらないはずの話題につい目がそちらへ自然に向いた。
「おい、嘘だろ……?」
【君と出逢ってから、私は・・・】
君と出逢ってから、私は・・・泣かなくなったよ。強くなれたよ。君はどうかな。私は今の君を知らない。私は過去の君のこともよく知らない。それでも、君は私に手紙を出した。君を探していい合図。君を殺していい合図。愛したいほどに憎らしくて大切な君。早く私に殺されてよ。