4/13/2025, 2:50:43 PM
桜の花が散る頃に花見に来る人間なんてそう居ない
そう思っていたけれど、案外悪くはなかった
桜吹雪の中で笑って振り向いた君が
あまりに綺麗で、桜の妖精のようだったから
たまらなくなったぼくは、
ひらひらと舞う花びらに手を伸ばしてつかむ
すると、きみが驚きに目を見張って
『何をお願いするの?』と問うてきた
……そんなの、決まってる。
心の中で願い事を呟いて
きみに「ないしょ」と告げる
むう、と唇を尖らせるきみに、笑いがこぼれた
──願わくば、きみとこの先もずっと、一緒に。
ひとひらの花びらを大切にポケットにしまって
僕はきみの手を握った。
お題:ひとひら
4/6/2025, 11:35:52 AM
大嫌いだった自分のことも
「そんなきみが好きだよ」と
あなたが笑ってくれたから
好きになることが出来たの
ありがとう
お題:好きだよ
4/2/2025, 1:44:01 PM
青空に向かって声を上げる
「生きていて、よかった!」
熱い涙のつたう頬を春風が撫でていく
さっきまでは暗くどよんで灰色だった空が
今では嘘のように快晴だ
雲ひとつ無い空は
まるで僕の心情を表しているかのよう
嗚呼
僕の生きているこの世界は
こんなにも美しく、愛おしいものだったのか。
お題:空に向かって
3/29/2025, 4:55:03 PM
愛おしくて愛おしくて
その笑顔を思い浮かべるだけで
涙が浮かんでしまう
そんな相手は
これまでもこれからも
あなたひとりだけなんだよ。
お題:涙
3/25/2025, 10:19:23 AM
人は、前へ進めば進むだけ
思い出せる記憶が減っていく
たくさんの出来事に晒されて、
心の表面に置いてあった記憶は
次第にすり減って思い出せなくなっていく
だからこそ、人生の最期に思い出せる記憶は、
その人が心のいちばん深いところに
大切にしまっておいた、
人生で最も大切だと言える思い出なんだろう
私はそのとき、何を思い出すのかな。
お題:記憶