アイツは、星を掴むんだと抜かした
どうしようもないバカで夢想家で
常に空ばかり見て
空ばかり見ていて
自分の足元も見えてなかった
どれだけ星が輝く満天の星空の下でも
上を向きながら歩いたらどうなるか
分かるもんだろ
お前は星の一部になった
これが本望か
幸せか?
そこからじっと見ていろ
そこなら安全だから
その冷たい石が邪魔かもしれないが
ずっと思っていた
暗い闇の先には光の満ちた
暖かな世界があると
"夜空ノムコウ"を信じていた
誰も到達していない
新しい可能性を掴むため
数多の人たちの手を振り払ってきた
敵味方関係なく
暗い無限の海を漂うこと
幾星霜
通信が途切れてから
どれだけ経ったのだろうか
こんなところ、来るんじゃなかった
コートも構わず
桶のなかに手を突っ込んだ
低い室温に抵抗するかのように
湯気は白く白く立ちのぼり
私の頬を掠めていく
かじかんだ指先を
温かさが柔らかく包み込む
凍りついていた指先が
湯の中で解けていく
脈は再び熱を取り戻し
その拍動が身を揺らす
まるで湯戻しだなと
鼻で笑った
純白の雪は無垢な顔をして
私の足を飲み込む
ただ歩を進める
厚い雲に覆われた空に太陽はなく
空と地平の境界線も分からない
でもなんとなく
「今ここで足を止めてはいけない」
という強い念だけが
私の脚を突き動かし続ける
そしてまた、なんとなく
この先に夜明けが、暁がある
気がするのだ
確証はない
でもそう考えずにはいられない
この白で塗り固められた世界を
越えた先
私はそれが見たい
アタシの知ってる街は
年中きらめいてる
ハイブランドのブティックが軒を連ねて
ショーウインドには自慢のコレクションが輝いて
輝きと夢で溢れた遊園地みたいな
無限のクローゼットが広がってるみたいで
私は大好き
ホリデーシーズンのショーウインドは尚更よ
まるで美しさを閉じ込めた宝箱
あの輝きは
クリスマスの電飾なんかにも負けない
でもどうしてかしら
この時期は少し寂しくなるの