純白の雪は無垢な顔をして
私の足を飲み込む
ただ歩を進める
厚い雲に覆われた空に太陽はなく
空と地平の境界線も分からない
でもなんとなく
「今ここで足を止めてはいけない」
という強い念だけが
私の脚を突き動かし続ける
そしてまた、なんとなく
この先に夜明けが、暁がある
気がするのだ
確証はない
でもそう考えずにはいられない
この白で塗り固められた世界を
越えた先
私はそれが見たい
アタシの知ってる街は
年中きらめいてる
ハイブランドのブティックが軒を連ねて
ショーウインドには自慢のコレクションが輝いて
輝きと夢で溢れた遊園地みたいな
無限のクローゼットが広がってるみたいで
私は大好き
ホリデーシーズンのショーウインドは尚更よ
まるで美しさを閉じ込めた宝箱
あの輝きは
クリスマスの電飾なんかにも負けない
でもどうしてかしら
この時期は少し寂しくなるの
お気に入りのペンで
今年もクリスマスのお手紙を書くの
私だって、もう字が書けるのよ!
おばあちゃんやおじさんへのクリスマスカード
そして、
サンタさんへのお手紙
今年はお小遣いで便箋を買ったのよ!
お願い事は他の人に言ったらダメってママが言ってた
だから便箋に書いて、封筒に入れて……
クリスマスが待ちきれない!
サンタさんへのお願いごとはもちろん秘密
ママに聞かれても絶対に教えないんだから!
今年もヤツが来る
北風に乗ってやってくるんだよ
寒太郎が
いや、最近は冬将軍か
「シベリア寒気団」なんて懐かしいね
クリスマスなんて一時の慰め
日照時間不足で気分は鬱々と
寂しがり屋に拍車がかかる
気づけば
ヤアもう年末だ、今年はどうだった
なんて、しみじみとして
……冬は嫌いだ
明日はもっと寒いとよ
アンタからの荷物、受け取ったよ
辛気臭い手紙まで入れちゃってさあ
それにコレ、アンタの好物じゃないか
本当にアタシへの贈り物か?
自分が好きだから入れたんじゃないのか?
まあそれは冗談として
分かってるよ
アンタが来るまで取っとけ、ってことだろ?
無許可でボトルキープしやがって
いつ来るんだい?アンタは
早く来ないとぜんぶ飲んじまうよ