突然の君の訪問。
小さな声に驚いた。迷い込んだのかな。
刺激しないように様子を見守る。
どこかぐったりしているようにも見える。
この暑さに参ったのだろうと、水を小さな皿に入れてそっと差し出す。
ぺちゃぺちゃと音を立てて舐めとったのち、くるりと丸まって寝息を立てていた。
「お休み」
雨に佇む
雨が降った。ぽつぽつと降った。
水溜まりもできないほどの小さな雨。
それでもしばらく待つと酷い湿気となった。
慌ててエアコンをドライモードにする。
じめじめした空気に水の和香油を燻らせ待つ。
さっぱりとした香りに似合わない湿気が出ていくまでしばしの夏を楽しむ時間が意外に好きだった。
私の日記帳
タイムリーなことに、日記をつけ始めた。
とは言っても毎日書くというより、一週間分のジャーナル手帳に思ったことをつらつら書くというもの。
いわゆるジャーナリングというやつだ。
紙に書き出すことで気づいたもの。
それは『私は体力もないのにあれこれ手を出しすぎて疲れ果てている』という端から見たらおそらく自明極まりない事実の存在であった。
体力がない。
疲れている。
なのに動きすぎるのは、きっと自己肯定感の低下のせい。
趣味も運動もまともにできず、ただ仕事にだけ集中して倒れ伏すように眠る日々は色褪せている。
私がやりたいことは何だろう。
寝てばかりいてもきっとこの焦燥感は消えない。
勉強?
読書?
小説?
悪化した持病のせいで文字を読み返すのがつらい。実はここに投稿する文も、ほとんど推敲せずにOKを押している。
それでも書けなくなるのが嫌で、ここに投稿することでリハビリをしている。
文字をじっくり読める日がくるまで書けないのが情けない。
書きかけの小説の続きが書けないのがつらい。
それでも、いつかを夢見て『書いて』いく。
向かい合わせ
鏡を向かい合わせたらって怪談、実際にやれる環境が作れないよね。
鏡はふたつあるけれど、形が違うからうまく覗ける形になれないし、何てったって鏡の中に鏡が映るのを覗いたら私も映っちゃう。
鏡の中に鏡、その中に鏡。
どれだけ繰り返しても『鏡』でしかないのに、何が怖いの?
鏡の世界か、鏡の世界を覗く私がいるか。
ふたつにひとつしかないのなら怖いはずがない。
ああ、でも。
鏡の中の鏡は割れているのに、合わせた鏡が割れていないこともあったような……?
やるせない気持ち
セルフメディケーションのために、やるせない気持ちを言語化することに努めて半月。
やっと名前を見つけた。
どうしようもない状況で理解も得られず漫然と日々を過ごしていたけど、ようやく出口が見えた。
『 』
これなら、生きられそうだ。