Kira

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3/17/2025, 2:57:55 PM

「ね、叶ったらいいなって思う夢ってある?」
「なんだよ、唐突に?」

さっき貰ったばかりの花を観る。
「お互いが好きだ」って気づいてしまったのに
何だかまだぎこちなくて
まだただの友達のような…
けれど少しだけその『友達の線』を超えてしまった関係が少しいつもの感じとは違う気がする。

「叶ったらいいなって、曖昧じゃないか?」
「夢ってそんなもんじゃない?」
「ん?」

笑顔で花を見ながら口を開く。
「叶わない夢ってある?」

「叶わない夢……叶えたい夢じゃなくてか」
「そう、絶対叶わない夢」

「お前と一生会えなくなる」
「え?」

「叶わない夢じゃないか?」


「…絶対叶わない。だって俺とお前ずっと一緒にいるだろ?」
「……ふふっ、そうだね?」

車の助っ席に座る彼女を見る。

「その花に誓っただろ、お前は一生俺といるんだよ」


episode 叶わぬ夢

3/16/2025, 12:46:09 PM


「花の香りっていいよな…」
そんな言葉をふと耳に入り横をふと見る。

そこには笑顔で花に鼻を近づけその香りを感じて
満面の笑みを浮かべる彼の姿がいた。

「なぁに?あんまり花に興味なかったんじゃないの?」
私が笑顔を見せながら少し嫌味ったらしい顔で見るその顔を
彼は見るとまた笑顔を見せる。

「そんな事ないさ…こうして花を見ると好きな人に花を送りたくなる気持ちになる」
「え?」
「俺がさ、この目の前にある綺麗な花を買って」

真っ直ぐと見つめるその目を逸らすことが出来ない。
一気に自分の心が早くなるのがわかる。

ドキドキとするその心臓の動きが体に一気に伝わる。


「君に渡したら、俺の気持ち伝わる?」


……そんな事されたら
私が出せる答えなんて1つしかないじゃない。


『好きだよ』

そう言ってるのと同じじゃん。

いつもなんでそうやって私の気持ち先読みして
カッコ良く見せて言っちゃうのよ……


「ね、もう気持ち伝わっちゃったよ…」
「けど言わなきゃわからねぇだろ?」

そこには彼の手に握られた一輪の花。


「ちゃんと買ったよ。俺の気持ち受け取ってくれる?」

彼女がその花を受け取ると鼻に近づける。


「凄くいい香りする」
「俺の気持ちも含まれてるけど?」


彼女がクスクスと笑う。


「私も好きよ、あなたのこと」

episode 『花の香りと共に』