君の部屋のカレンダーは
色鮮やかな花と美しい風景に
君の可愛らしい絵文字が書いてあった
ねぇ…これ、わかる?
君はいつも僕を覗き込んで
そう聞いていたね
知っていたよ…
君が僕を真似てカレンダーに
書いていた可愛らしい絵文字
だけど いつの間にか…
カレンダーから僕が居なくなって
僕は君の心を探すことを決めたんだ
君の心を見つけることができたなら
また、僕を君のカレンダーに書いて欲しい
必ず君の心を見つけてみせるから…
愛している…
素直に心に浮かんだその言葉は
とても不慣れな感じで けれど純粋で
僕の心を貴女への想いで満たしてくれる
貴女の何気ない優しさが
僕をどんどん変化させて
貴女の僕への愛情が不確かなのだと
そう…わかっていても
貴女が僕の傍で笑顔でいてくれるから…
あの時と同じ胸の鼓動を感じながら
僕は…貴女にまた恋をする
さぁ…今
その時を告げる
自分を信じて…
振り向かずに走り出せ
さぁ…今
その時を告げる
僕を信じて…
手を取り合って走り出そう
この恋の始まりを
今…その時を告げる
若いという生きる力が溢れていた僕は
自分を精一杯生きることに夢中になって
今、思えばたくさんの物を得た代わりに
たくさんの人を失ってしまったように思う
誰もが経験する孤独や喪失感も
ひと通り味わうとそれは自分の心に
新たな種類の感情をもたらすことを知った
誰かのために生きている貴女を見て
僕は何も言うことができなかったんだ
誰かのために笑い 誰かのために泣き
誰かのために苦しんで 誰かの幸せを願う
そんな貴女はいつでも幸せそうだった
海辺で見つけた美しく小さな貝殻を手に取り
嬉しそうに笑う貴女の澄んだ瞳と声が
僕の心に忍び込んで…僕の心に住み着いた
心臓の辺りがキリキリして、気分が悪くなった
何だよ…これ
きっと…貴女の仕業だろう?
僕の心を締め付けて、僕の心を狂わせる
そして、僕はいつも思うんだ
貴女のすべてが欲しいと…
生暖かい風が雨に変わって
ふたりで走って雨宿りしたあの日
初めて見た大きなアーチの虹は
絵に書いたような七色の虹色で
まるで絵本の中に君と飛び込んだような
そんな不思議な時間がそこには存在していた
キラキラとしていたのは…きっと
雨上がりのアスファルトだけじゃない
虹を見上げる君の姿は揺らめいて
そして…キラキラと見たこともない
光を放っていたんだ
君から溢れるきらめきは
雫となって僕に降り注がれて
僕は…あっという間に恋に落ちた