日暮らしが鳴き始め外が涼しくなってきたのを感じる。
風が心地よい時期になっていく。
クーラーを使わなくても暑くない。
そんな何でもない日に感じる秋の訪れだ。
「ずっと一緒だよどこに言っても永遠に。」
彼は私に告白したときそう言っていた。
けど実際永遠なんてものはなくて、
彼は私をおいていってしまった。
永遠なんてものはないそうは分かっていたのに
私は彼の言葉を信じてしまった。
私も彼との思い出は永遠に忘れないよ。
「永遠なんて、無いけれど」
あなたはきっと何も知らない。
私のことを。
私の好きな匂いも
私の好きな食べ物も
私の好きなゲームも
私の好きなタイプも
私の嫌いな食べ物も
私があなたのことを好きな理由も
何も知らない。
なのに私が泣いているとき、
どうしてあなたは私を抱きしめて
離してくれないの。
きっとあなたは私の涙の理由も知らないはずなのに。
まるでそれだけは知っているような暖かさで
私のことを抱きしめるの。
気になるあの人が働く喫茶店に入り、キッチンが見えるカウンター席に座る。
そうして私は、毎度同じ注文をする。
「コーヒーを一つお願いします。」
「かしこまりました。」
彼はそう言い、コーヒーを丁寧に注ぐ。
コーヒーの匂いが広がる。
「おまたせしました。コーヒーが冷めないうちにどうぞ。」
いつも通りの彼のセリフ。やはり落ち着く。
温かいコーヒーを口に一口
「今日も美味しいですね。」
「喜んでいただけて嬉しいです。」
彼はそう顔をニッコリさせて私に言った。
彼の注いだコーヒーは温かいうちが一番美味しい。
時計の針が重なって、時計が私に午前0字を教えた。
今日は私の誕生日。
スマホの画面が一件の通知を受け取り光る。
午前0時丁度にあなたわ私の誕生日を誰よりも早く祝ってくれた。
少ない文章でもちゃんと愛が伝わって、頬が緩んだ。
そして今日は時計の鉢が重なるまであなたと一緒にいる事ができる。
だから私も愛を沢山伝えるね