ゴーンゴーンっと、また一つ年が明けた
けれど、貴方を失った私は
明けない夜に、囚われたまま
---二作目---
遠くで響く、ウエディングベル
「何だかおめでたいですね」
そう微笑むお前と、何時からあの音を
一番近くで、聞けたなら
#鐘の音
379作目
欲に塗れ、嘘に塗れた偽笑じゃなくて
心の底から笑顔になれるのなら、別にいいと思ったんだ
---二作目---
子供みたいな、貴方との口喧嘩
馬鹿馬鹿しいなと謳いつつ
最後は馬鹿みたいに笑ってて
だから
貴方との口喧嘩がない日は
世界から色が抜け落ちてたんだ
#つまらないことでも
378作目
微睡を嗜む、貴方の頭を優しく撫でて
そっと、別れを告げましょう
優しい貴方の、幸せの為に
---二作目---
パチリと目が覚めて、視界いっぱいに映るのはあいつの寝顔
ボクより早起きで、しっかりした面しか見せようとしないあいつの寝顔
何時もボクを射抜いてくる深紅の瞳は、今は瞼の内側に。
ボクを揶揄う為に開かれる唇は、今は穏やかな寝息を立てている。
...こいつの目が覚めるまで、見詰めといてやろう
起きた時、こいつはどんな反応をするだろう
「...ふふ、」
考えるだけ、今から楽しみだ
だからそれまで、こいつの寝顔はボクのものだ
#目が覚めるまでに
377作目
微妙に寝心地のいいベットも、真っ白な天井も
健康しか意識されてない食事も、静か過ぎる空間も
もう、うんざりだった
硬い床に敷いた布団でいい、少し汚れた天井でいい
食べ物なんて、食べられれば何でもいいから
早く、好きな時にあいつに会える所に戻してくれ
静かすぎるこの空間は、俺には少し辛いから
---二作目---
窓際のベットに座る、貴方
何処か遠くを見つめる、貴方
何時もの覇気が抜け落ちて、消えてしまいそうな貴方
そんな貴方に、僕は優しくチョップを入れた
漸く僕の存在に気がついたのか、多分チョップされた事に起こったのか
「何だ急に!」って、わちゃわちゃと騒ぎ始めた
そう、貴方はそれでいいんです
煩いくらいに、騒いでいればいいんです
あんな、消え逝ってしまいそうな顔
お願いだから、しないで下さい
#病室
376作目
ここ最近、空が元気過ぎて困っていると言うのに
此処から少し離れた所では、空が大泣きしているらしく
おかしな空だな、なんて思いつつ
どうか情緒を落ち着かさてくれ...なんて、願っても叶わない事を祈った
---二作目---
貴方の好きな、カフェに行きましょう。
意外にも甘い物が好きな貴方の、喜ぶ顔が見たいですから
でも、空が泣いてる今だけは
二人きりで、身を寄せ合わさせて下さいな
#明日、もし晴れたら
375作目