キラキラとした幻想を書き出して、
今日も、フィクションの物語を描くの。
...ノンフィクションの世界から、目を背けるために。
---二作目---
夢を見る。
桜の下に、誰かがいて。
こちらに振り返ったと思ったら
まるで愛おしいものを見るように、優しく微笑んで、名前を呼ばれる。
でもそいつの姿は、霞んで見れなくて。
そんな不思議な夢を、毎日のように見ている。
夢に出でくるその人を、俺は知らない。
名前も、姿も、何もかも。
全く知らない人の筈なのに...
なんで夢から覚めると、俺の顔は濡れていて、謎の喪失感に包まれるのだろうか。
#夢と現実
139作目
それは、私にとって、呪いの言葉だから。
そう言われたら、もう二度と会えなくなるような気がするから
その言葉だけは、言わないで。
---二作目---
「さようなら」とあいつは言った。
...気付いた時には、俺はあいつの手を掴んでいた。
「何するんだよ」とあいつは不機嫌そうに言った。
...それでも俺は、あいつの手を離せなかった。
「...離してくれよ」とこちらを振り向かずに言った。
...離してやれるわけないだろう?
「...俺は行かないといけないんだ」とあいつは肩を震わせながら言った。
...離して欲しいのなら、なんで、
お前はそんなに、辛そうで、泣きそうな顔をするんだ?
#さよならは言わないで
138作目
見えない何かを、ずっと追い掛けている。
どんなに追い掛けても、決して届くことの出来ない。
それでも、それでも追いかけて行かなければならない。
後ろを振り向けば、先の見えない暗闇が広がっているのだから。
---二作目---
あいつの幸せな未来を願う俺と
俺の愛に溺れてしまえばいいのに...と思ってしまう俺。
どちらが正しいのかなんて、分かりきっているのに。
俺にどちらかを決めることなんてできないのだ。
悪魔の囁きも、天使の囁きも、どちらも聞こえてきてしまうから。
...俺は、天使と悪魔、どちらの方に向かえばいいですか?
#光と闇の狭間で
137作目
手を伸ばせば、届いてしまいそうな
でも、絶対に掴むことの出来ない君の背中を
今日も私は眺めてる。
---二作目---
親友、という距離感。
あいつの隣に居られて、それだけでも幸せなはずなのに。
もう少し距離を詰めてしまいたい、と。
そう思ってしまうのだ。
...誰かが、俺とあいつの間に割って入ってくる前に。
この距離感で居られなくなる前に。
#距離
136作目
空へ空へと羽ばたいて、やっと自由になる事が出来た。
...だからさ、君が視界を歪ます必要は無いんだよ。
私は、十分幸せだったのだから。
このハンカチで、君の視界を晴らしてよ。
---二作目---
「寂しい」と「辛い」と「苦しい」と。
...「死にたい」と。
毎夜毎夜、悪夢に魘される君。
俺には、ただ溢れ出る涙を優しく拭って、頭を撫でてあげることしか出来なくて。
なんて無力なんだろう...と、ただ打ちひしがれる日々。
...なぁ、俺はずっと傍に居るから、離れたりなんかしないから。
嗚呼、どうか泣かないでよ。
いつものように、優しく笑いかけてよ。
#泣かないで
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