Frieden

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1/23/2025, 9:47:40 AM

「あなたへの贈り物」

文通相手のあなたへ

ここでもこっそりあなたへのメッセージを書こうと思います。
あなたがここを見ていないのを知っているから、私の気持ちを残すにはいい場所だと思って、書きます。

はじめに、私との文通を喜んでくださり、本当にありがとうございます。私はずっと文章を通じて誰かとつながりたいと思っていました。だから文通は憧れだったのです。

初めてあなたから手紙が来たとき、本当に嬉しかった。
日常のさびしさを忘れてしまえるくらいに、嬉しかった。

あなたは手紙と一緒に、詩集と絵と、小さな本を送ってくださいました。透き通るやさしい青が印象的な贈り物をくださったのです。

愛おしさを感じると同時に、私もお返しをしたいと思いました。
ですが、私はあなたのように美しい絵を描くことも、柔らかな言葉を紡ぐこともできません。

なので、あなたに気に入ってもらえたら、と思って、私の好きなアーティストのCDと、地元でつくられたものたちを送りました。

あなたは喜んでくださったのでしょうか?
もしそうであれば、これ以上に幸せなことはありません。

いつかまた、お手紙を送ってくださいね。

ほんとうにありがとう。

1/22/2025, 3:49:01 AM

「羅針盤」

ここは宇宙の星の海 水面がひかりを跳ね返す
今日はどこかに行こうかな どこか遠くに行こうかな

これは宇宙の羅針盤 
アンティキティラの機械より
もっともおっと精巧だ どんな機械より精巧だ

今日は火の星目指そうか 熱いあの星目指そうか
炎は舟をきっと焼く 近づきすぎては危ないぞ

吸い込まれるよに 火の星を
目指して進んで一直線

強いひかりが見えてきた 水面が爛々ひかってる
光を指してる羅針盤 やはりとっても精巧だ

綺麗な火の星見えました 熱い火の星見えました
ほんとは触れてしまいたい だけど熱くてさわれない

次は丈夫な方舟を 羅針盤載せた方舟を
トントン作って用意して もっと近くで火の星を

じっくりじっくり見たいのです
じっくりじっくり見たいのです

今度はどこへと向かおかな 氷の星へと行こうかな

ぼくの冒険終わらない ずっとずうっと終わらない
この羅針盤ある限り 冒険の日々は続きます

羅針盤載せたこの船と ずうっと冒険いたします

今度はどこへと向かおかな
今度はどこへと向かおかな

1/21/2025, 9:38:55 AM

「明日に向かって歩く、でも」

私はまいにち明日に向かって歩く。
休みなく、止まることもなく歩く。
歩く。あるく。

嬉しいことがあった日。
希望の光で照らされた日。

そんな日には、たくさん歩く。
とにかく歩く。
軽い足どりで、歩く。

そんな日ばかり続けばいい。

でも。

辛いことがあった日。
心の雨が止まない日。

そんな日には、ぜんぜん進めない。
とにかく歩こうとする。
重りがついたみたいに、鈍重に、歩く。

そんな日ばかりだ。

それでも。
雨が止むその日の虹が見たいから。
広がる青空が見たいから。

今日も歩く。私は歩く。

鈍重に、鈍重に。

光を求めて、虹を求めて。

ゆっくり、ゆっくり歩くんだ。

1/20/2025, 9:43:06 AM

「ただひとりの君へ」

ただひとりの君へ

僕が愛するたったひとりの君。
今はどうしているかな。

美味しいものを食べているかな。
綺麗な音楽を聴いているかな。楽しい本を読んでいるかな。
僕のことなんか忘れてしまえるくらい、いい人と出会えたかな。

僕の知らない誰かと、幸せに暮らしているかな。

そうだったらいいな。
……きっと君のことだから、とっくの昔に幸せを掴んでいるはずだよね。そうに決まってる。

そうじゃなきゃ、僕の命が報われない。

だからこれからもずっと。

幸せに生きて。

1/19/2025, 11:56:37 AM

「手のひらの宇宙」

「ニンゲンくん、⬜︎⬜︎!」「なーに?」「ちょっと宇宙管理本部に用ができたから出かけてくるよ!」「いてらっちゃーい!」
はいはい、今日もご苦労様。

†:.。.:+゚+:.。.:†:.。.:+゚+:.。.:†:.。.:+゚+:.。.:† 

宇宙管理本部にて

「おーい、お父さん!」
「⬛︎⬛︎、もう来たの?!早いね!」
「そりゃあお父さんに呼ばれちゃあねえ!!」

「……ところで、今日は何の用でボクを呼んだんだい?」
「……あの宇宙のことだ。」
「?」「今⬜︎⬜︎が、あの子がいる宇宙だよ。」

お父さんは手のひらに宇宙を乗せてみせる。
「この宇宙、君が持っていたんだね。」

「でも、どうして君が……?」
「だって、この宇宙はお父さんのはじめて作った、大切な宇宙だろう?だからずっと守っていたくて。」

「もうとっくに壊れていると思っていたよ。……ありがとう。」
「この宇宙は私が初めて作った感情型のプロトタイプだ。だからこそ色んな不備もあっただろう。」

「こんな宇宙も、守ってくれていたんだね。」

「ボクはどんな宇宙だって、生み出されたものは全部愛するよ?それに、そういう宇宙があれば何かと都合もいいから……なーんてね!」

「だって、この宇宙がなければ⬜︎⬜︎の居場所がないだろう?!お父さんのおかげでこれ以外にも自分用の宇宙を作ったんだから!よかったら見ていってよ!」

「これはかなり特殊で、本当に何もない空間だ。これは実験用の宇宙だよ!」

「これはボクの初めて作った予備の宇宙だよ!」
「……プロの宇宙制作者の作ったものに匹敵する精巧さだ……すごいね。」「そんなことも……あるかなあ!!!」

「他にも色々あるけれど、やっぱりこの宇宙にいちばん愛着があるかなあ。だってボクの大事なひとの宇宙だからね!」
「⬛︎⬛︎……!かわいいなぁ!」「えへへ!」

「……というかお父さん、仕事は大丈夫なの……?」
「あ」「ん?」「忘れてた……!」
「とりあえず急いで!!!ほら早く!!!」

「じゃ、じゃあ行ってくるね!」「いってらっしゃい!」

お父さん、じゃあまたね!
ボクもボクで頑張るからさ!

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