「風邪」
みんな!ご機嫌いかがかな?ボクだよ!マッドサイエンティストさ!いい日々を過ごしていてくれたらこれ以上に嬉しいことはないよ!
ところで、最近寒い日が続いているけれど、体は大丈夫かい?
ボクは機械の体を持っているから風邪を引くことはないが、人間のみんなはそうでもない!だから、少し心配だったのだよ。
とりあえずぱっと見元気そうでよかったよ!
ところで、心の調子はどうだい?
日照時間が短くなると、人間は精神的に不調をきたすという。
抑うつ状態は「心の風邪」とも言うそうだね。
少しでも変だと思ったら、暖かくしてゆっくり休むんだよ。元気が出てきたら好きなことをして調子を整えたまえ!
あ、そうそう。ボクとしてはバタフライピーのハーブティーがおすすめだよ!綺麗な青色で、見た目だけでも癒されるうえ、リラックス成分のテアニンが含まれているから、辛い時や眠れない時に飲むといい!
体も心も、治るうちに風邪を治すことが重要だ。
……取り返しがつかなくなる前に、早めに医療機関に行って、適切な治療を受けたまえよ!
それじゃあ、体に気をつけてね!
「雪を待つ」
「やあニンゲンくん!週末には雪が降るそうだよ!楽しみだねえ!」子どもらしい無邪気な笑顔をこちらに向ける。
雪か。寒いし交通機関のダイヤは乱れるしでちょっとな……。
「おや、乗り気ではないご様子だね?」「ニンゲンしゃ、なんでー?ゆき、ふわふわでおいちそーだよ?きらいなの?」
「嫌い……とかではないけど、でも好きではないかな。」
「んー……。あっ!しょーだ!」「どうしたの⬜︎⬜︎。」
「ニンゲンしゃんがゆきだいしゅきになるおあしょび!つくろ!」「いいねえ!だがその前に……。」「んー?」
「雪遊びとはなんぞやかを知っておこうではないか!」
「わー!」
雪遊びとは……なんぞや……?まあいっか。
「まずは!!!雪だるま作り!!!」「ゆきだるまー?」「そう!雪だるま!!!このボクでさえまだ作ったことがない!!」そういえばそうだったっけ。
「メタな話をすると、ボク達が登場したのは今年の2月19日、タイトル名は『今日にさよなら』だからね。春が始まりかけていたタイミングだったから、雪遊びはまだしたことがないのさ!」
……登場?なんの話だ?
「いやあこっちの話さ!お気になさらず、だね!」
「ねー、ゆきだるま!なあにー?」「あぁ、すまないね!」
「大きな雪の塊をふたつ作って、それを組み合わせるんだ!」
「それに顔や腕、それからマフラーなんかもくっつけて──完成!」
「どんなかおー?」「画像があるよ!こんな感じだ!」
「わ!かわいい!ボクもちゅくりたーい!」
「雪が降ったら作ろうね!」「わ!わぁ!」
「他にもあるよ!」「わくわく!」「かまくら作り!」「かまくらー?きのうたべておいちかったあれー?」「それはかまぼこ。」「しょっかー。」「うん。」「ん。」
「かまくらっていうのはね、言うなれば雪で作ったテントだね。しっかりしたものを作れば中で暖をとることも出来るんだ!」
「ゆきのおうちー?!たのちそー!」
「ボク、かまくらちゅくりたい!」
「いっぱい降るといいな、雪。」「ニンゲンしゃーもたのちみ?よかったー!」「いや、えー……まぁ?」「素直じゃないね!」
「他にもあるよ!かまくらや雪だるまが作れるほどの雪が降らなくても、雪うさぎならきっと作れる!」「ゆきうしゃぎ?ゆきでうしゃぎしゃん、ちゅくるー?!」「そうだよー!」
「手のひらで丸っこい塊を作って、そこに落ち葉の耳と南天の目をつけるのさ!」「こんな感じだよー。」「かわいー!」
ふたりとも嬉しそうに話している。
雪が楽しみ、か。
「ちっちゃなお兄ちゃんにはまだ早いけど、雪玉を作って投げて当てる雪合戦もあるよ!機会があればやってみようね!」「ん!」
「そうだな。雪、きっと楽しいな。」「ニンゲンしゃん!」
「ゆきふったら、いっぱいあしょぼーね!」「うん。」
こっそりわくわくしながら、自分も雪を待つ。
いつもと違うことを純粋に楽しめる心って、雪みたいに真っ白なのかもしれない。
「イルミネーション」
「ニンゲンくん!久しぶりにボクと出かけないかい?」
この前出かけたばっかりだろ?
「そう言わずにー!行こう!」
行こうって……どこに?
「いるみねんちょん?だよねー?⬛︎⬛︎ちゃん!」「イルミネーション、だね!」
なるほど。そう言う季節になってきたっけ。でもまたなんで急に?
「キミが昼寝をしている間にテレビで見たのさ!ね、⬜︎⬜︎?」「んー!」「すごーくきれーだったの!」
「きれーだったからね、ニンゲンしゃんにもみしぇてあげたいのー!」「ありがとう。夜になったら見に行こうか。」「んー!」「ね、ね!」「ん?」「ねこちゃも、いくー?」「ニャー!」
ちっちゃい子猫にイルミネーションの美しさが分かるんだろうか……。「まあ中身はボクだから分かるさ!」「ニャー!」……なんでふたり(?)ともちょっと誇らしげなんだ?
小さな機械たちの様子をぼんやり見ているうちにいつのまにか夕方になってしまった。そろそろ出る頃か?
「そうだね!そろそろ出ようか!」「ん!」
こうしてイルミネーションを見に行くことになった。
「ニンゲンしゃー!おててちゅなごーね!」手袋をつけた小さな手で手のひらを握られる。「それじゃあボクも手を繋いじゃおうかなあ!」嬉しそうに力強くぶんぶん振られる。ちょ、おい!
「なんだい、照れているのかい?」いや、全然?「ふーん……?その割には嬉しそうだが?」やかましい。「へへっ、ごめんごめん!」「んー?」「イルミネーションが楽しみなんだって!」
「ニンゲンしゃんもいるみねんちょんたのちみでよかったー!」
「あ!あれ!きれー!」
動物を模ったイルミネーションが見える。
……なんだか懐かしい気持ちになる。「ニンゲンしゃ!みてー!かわいい!」「おやおや!本物はやはり美しいね!」
「ニンゲンしゃー!」「なに?」「おしゃしん、とってー!」「ん、いいよ。」「それじゃ、そこ、並んで!」「ん!」
「ほら、笑って!」
ふたりの笑顔は、イルミネーションよりもずっと可愛くて輝いていた。本当に嬉しそうにはしゃいで、笑って。……幸せそうで。
こっちまで嬉しくなった。
「ニンゲンしゃんも、おしゃしん!ボクがとるー!」そう言って自分のスマホを奪っていった。
「えとー、なんていうんだったけー?」
「はい、ちーず!」「とったよー!じょーず?」
低い位置から撮られた自分……ではなくこの子の顔のアップ。
う、うん。上手だよ……。「じょうずじゃ……ない?」
「上手だと思うよ……。」「ん!」
かわいく撮れているのは確かだし、まあ?いいか。
アルバムにいい写真がまた増えそうだ。
なんて思いながら、イルミネーションの光に包まれて、綺麗な夜を過ごした。
「またあちたもみようね!」「だってさ!明日もどうだい?」
「あ、あぁ。見に来ような。」「わーい!」
「愛を注いで」
「ニンゲンしゃー!おはよ!」「……おはよう。今日は普通の時間に起きてきたんだね。」「えらいー?」「うん。えらいぞ。」「にへへー。」
かわいいと思ったついでに、ふわふわの髪の毛ともちもちのほっぺたを触ってみる。相変わらず柔らかい。
「ニンゲンしゃん、ボクのことだいしゅきだねー!」「あ、うん。大好きだよー。」「ボク、かわいいもんね!」「かわいいね。」「やっぱりしょーなの!えへー!」
……きっとこの子が自分を愛されてると信じて疑わないのは、この子を造ったあの科学者が、小さな機械たちに愛を注いで育てたからに違いない。この子とその弟が、愛されていてよかった。
「じゃ、ニンゲンしゃんにあまえんぼしゅるー!」
……これからもいっぱい甘えてくれたらいいよ。
「いいねえ!ボクも混ぜてよ!」
……あんたは仕事中だろ。「そんなことを言わずに!」
冗談だよ。こっちにおいで。「へへっ!」
今日も相変わらず平和だ。
こんな日が続きますように。
「心と心」
いつだったか忘れてしまったけれど、前に書いた心のことを載せてみます*ˊᵕˋ)੭
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死んでしまった昔の私の心の幽霊を、何をあげても、何をしても満足しない私の心の幽霊を、ずっとずっと引き摺り続けながらでしか生きていけない
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こなごなの心をドブに投げ捨てた
溶ける心を薄目で見てた
†:.。.:+゚+:.。.:†:.。.:+゚+:.。.:†:.。.:+゚+:.。.:†
↓ここから新しいやつ↓
「心と心」
ボクの心に触れてごらんよ!……ほら、あったかいだろう?
それも当然!ボクの心はキミへの愛でできているからね!
……え?見えないし触れられない?
野暮ったいなあ、そんなことを言うなんて!
いいかい?心というものは、見えなくても、触れられなかったとしても、そこに「ある」んだよ。
あるだけで、暖かいものなんだ。
少しだけ、壊れやすいけれどね。
でも、ボクがずっとそばにいて、キミの心を支えるから。
寒い時には温めるから。
キミは前だけ向いて、進みたまえ!