月夜

Open App
11/10/2023, 8:34:33 AM

黄金色に揺れる足元 ほんの少しずつ確かに冷たくなる空気
塵を含まず、澄みわたる空はどこまでも広くて
淡い青色のような、沈みかける太陽に反射してほんのり茜さす東
夕日に焼けて赤く照らされるそのすぐ上に、じんわりと夕闇が広がる西
つい数分前に見た東の空は、いつの間にか深い藍色のベールに包まれていた

それはわたしの脳裏に焼き付いてる、秋の狭間の時間


『脳裏』

11/9/2023, 8:29:08 AM

きれいに切り分けたケーキを、ひとりでたべること

誰よりも優れた能力を、必要な場面で使わないこと

自分以外の誰かの幸せを、心から願うことができないこと

誰よりも大切な君のいない世界で、生きる意味を探すこと


『意味がないこと』

11/7/2023, 12:36:16 PM

あなたは珈琲が好きで、わたしは紅茶が好き
あなたは犬が好きで、わたしは猫が好き
あなたは夜更かしさんで、わたしは夜明け前に起きる

そんなあなたは、
紅茶の美味しいお店を知っていて、
雨に濡れた子猫をほおっておけないわたしを笑って抱きしめ、
朝早くに出かける私に、「いってらっしゃい」と言ってくれる。

かくいうわたしも、
毎朝一緒に珈琲を飲み、
道行く散歩犬を目で追うあなたを愛おしく思い、
毎日かかさず、「おやすみなさい」と書き残す。


『あなたとわたし』

11/7/2023, 8:19:42 AM

あのころの私は、
溢れてしまった弱い心を、打ち消してしまうほど
激しくうちつける雨がほしかった

けれど、
大切な人に降り注いで欲しいのは弱さを隠す雨じゃなくて
じんわりと浸透するように、
しおれた双葉がまた立ち上がれるように、
さんさんと、ただ
柔らかい雨を降らせたい

君を見ていたらそう思った


『柔らかい雨』

11/1/2023, 9:51:48 AM

だれもが思い描く

「こんな世界になったらいいのに。」

みんなのために ミンナノタメニ

思想 衝突 譲歩 犠牲 平和 幸福 理想___

だれかはこう言った

「あぁ、こんなはずじゃなかった。」

この世界はエゴでできている

わたしの理想郷は、わたしのエゴでできている

『理想郷』

Next