みみ

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5/31/2024, 5:12:45 PM

〖無垢〗


真っ白で、ふわふわで、花みたいな君がやってきた。
彼女が歩みを進めるたびに、
ふわふわ、ふわふわ、と揺れている。

暖かな光に包まれて、君はとても楽しそうだ。
にこりと笑うと、またふわっと揺れた。

5/30/2024, 4:22:14 PM

〖終わりなき旅〗

目の前に、知らない景色。
一歩足を進める。
目の前に、知らない景色。

決まった目的地はない。
どこで終わるかも分からない。

後戻りはできないし、
二度と同じ場所には来られない。

ただゆっくりと、歩みを進めるだけである。

5/29/2024, 2:06:46 PM

〖ごめんね〗

僕よりつらそうな顔をしている君に、
どうしても上手く接することができない。

不甲斐なくてごめんね。
君が少しでも早く笑顔になることを
祈っているよ。

2/22/2024, 6:12:23 PM

〖太陽のような〗

きらきらとあたたかい光。

それを受け取るだけの僕よりも、
何倍も長く輝くのだろう。

どうかいつまでもあなたのしあわせが続きますようにと、
余計なお世話かもしれないけれど、
長い旅路の安寧を祈った。

2/15/2024, 3:26:02 PM

〖10年後の私から届いた手紙〗

10年後の私から手紙が届いた。
消印が10年後なのである。

何とも奇妙なことだ。とても信じられるものではない。
しかし、手紙には見たことのない新100円玉や
10年後の日付の雑誌(まだあるんだ!)の切り抜き、
まだ存在しないお店のレシートなど、
証拠がこれでもかというほど添付されていた。

流石。私の性格を熟知している。

少しどきどきしながら手紙を開いた。
何があったのだろう。余程重大な出来事が起こったのだろうか。

しかし、文章は他愛のないものだった。
最近揚げ物がつらいから今のうちに食べておけとか、
そんなことばかりである。
未来に何が起こるかなどさっぱり分からなかった。

怪訝な顔で読み進めていくと、
手紙の最後に、私の筆跡でこう記されていた。

「これはタイムリープのテストである。
10年後まで大切に保管しておいて欲しい。」

なるほど。私が人生のネタバレをするはずがないと思っていたが、そういうことか。

私は、その手紙を大切にしまいこんだ。

たったひとつのネタバレ、
タイムリープの開発に胸を踊らせながら、
私はまた未だ来ぬ時へ行くのである。

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