「あの夢の続きを」
夢の続きを見たいから
枕に写真を忍ばせる
夢の続きを見たいから
夢日記をつけてみる
夢の続きを見たいから
同じパジャマを着て眠る
夢の続きを見たいから
見たいと呪文を唱えてみる
夢の続きを見たいから
目覚めてそのまま
また眠る
どうしても
見たいんだ
あの夢の続きを
「あたたかいね」
みんなで囲む鍋
立ち上がる湯気
向かい合わせの曇る眼鏡
外から帰ってすぐのこたつ
こたつ布団のやぐらの中
冷たい足がじんとする
ストーブの上
何を焼こうか
やかんがシュンシュン沸いている
焚き火の炎
アルミに包んださつまいも
早く焼けろとつついてみる
どれも
みんな
あたたかいねの
笑顔に会える
「未来への鍵」
強面の
未来の扉の番人は
たくさん鍵を持っている
じゃらじゃらじゃらじゃら音を立て
ベルトに引っ掛け歩いてる
未来の扉を開けたくて
空高く遥か彼方に続く階段を
一歩一歩登ってく
辿り着いた扉の前
強面の
未来の扉の番人に
鍵がほしいと伝えると
無言で持ってるたくさんの
鍵の束を渡される
手に入れた
鍵を扉の穴に挿し
ひとつ回してみたけれど
鍵が回ることはない
またひとつまたひとつ
鍵を次々挿していく
未来の扉を開ける鍵
じゃらじゃらじゃらじゃら音を立て
焦る私を弄ぶ
「星のかけら」
流れ星
キラキラ光って落ちていく
僕は急いで走り出す
落ちたと思ったその場所に
星は落ちてはいなかった
慌てて辺りを見渡すと
バラバラに
砕け散ったかけら達
草陰に息を潜めて微かに光る
まるで涙を流すまいと
チカチカ何度も瞬きしてる
祈った願いが重すぎて
落ちてしまった
星のかけら
「追い風」
ただただ歩いている
僕の背中を風が押す
僕の体は前のめり
どんどんどんどん加速する
そのまま先を急ぐよに
行き着く先が見えない場所へ
僕の意思などお構いなしに
前へ前へと追い立てる
勇気がないわけじゃない
新たな道を行くことに
躊躇っているわけじゃない
挫折の恐怖を味わうことに
あるがまま
僕は追い風にのって
どこまでもどこまでも
流されるまま遠くへ行こう