もう楽しかったあの頃は戻って来ない
どんなに足掻いても及ぶことは無い
せめて、全部足せば勝てる人生にしよう
お金より大事なものが
僕にもできますように
夜にふと目が覚めた
いや、カーテン越しの窓から光が差しているから、朝方かもしれない。
時計を見ようと思うが、金縛りにあっている訳でもないのに体がぴくりともしない。
というか、動く気が起きない
瞳を閉じてまた眠りに就こうとするが
眠れない。
仕方ない、起きようと思うものの、体が動かない
寝返りはうつものの、体を起こす気にはどうもなれないのだ。
これも一種の金縛りなのかというくらいだ
ベットの近くの窓のカーテンを滑らせる
朝日かと思っていた光は、月光だった。
都会の星は見えない
月だけが夜空に光を放っている
満月でも半月でもない微妙な形の月は
こんなにも月光は明るいのかというくらい輝いていた
気付いたら私は起き上がって、窓から身を乗り出して月を眺めていた
ばかばかしい
私の悩みはみんな月光に照らされて消えてゆく
そして
私すらも
私はその日
空を飛んだ
今日のお題:月夜
月って、人を狂わせる程に魅力的ですよね
俺たちの間にある絆は本物だ。
絶対に壊れる事はない
「…って思ってたのな…」
「やられましたね…」
…えー、今、俺たち2人は十年来の親友に裏切られて落胆している所である。
「まさか先輩が……」
俺の横で笹木が項垂れた。
「十三万と六千円…クソ…」
「え?十三万?」
「え?」
こいつは何を言っているんだ、というような目で笹木は俺のことを見る
「いや、先輩に十三万と六千円貸したまま逃げられたんすよ」
「え、俺百万くらい取られたんだけど」
あまりにも差が大きすぎやしないか
「しかも俺よりお前の方が、あいつと仲良かったよな!?」
「いや、知りませんよそんなん。仲良かったとか今更ですし…」
「うそだろ…」
「いえ、俺も物借りパクされてましたし………ね?」
「『ね?』じゃないんだよ!物っつっても百万も価値ないだろ!」
「まぁまぁ、同じ友達を失った事は事実ですし、俺たちは仲良くしましょうよ」
確かにそれはそうだ。
「じゃあ、俺たちはこれからも親友だぞ…!」
「はい!」
2人で絆を交わしたその一ヶ月後
彼は俺に一千万円を借りたまま、失踪した。
今日のお題:絆
椅子の背にもたれて伸びをする。
ぎしりときしんだがなる
もうこの椅子も学生の頃から…二十年以上使っている
「先輩は物を大事にしすぎなんですよ」
昨日後輩に言われたことを思い出した。
自分でもその自覚はある。
だが、捨てようにも捨てられない所まできてしまったのだ。
ずっと捨てずに大切に使ってきた物をいまさら捨てるのは、あまりにももったいない。と感じてしまう。
時計の針はもう1時を超えていた
明日も休みだしこのまま起きていようかと、スマホを見ながら菓子パンを頬張る。
そういえば、少し前……たしか、自粛期間中に片付けをしたり、いらない物を捨てたりするのが流行ってたような…
あのブーム(?)に乗っかって、要らない物を捨てておけばよかったかな。
だが、時既に遅しである。
いらない物か…壁に掛かりっぱなしの壊れた時計、もう絶対に使わないであろう筋トレ用具………
例を挙げるときりがない程に物を溜め込んでいる。
たまには捨てるべきか…
いや、掃除はきちんとされているし、不衛生なわけでもないから、別に捨てなくてもいいような……
たまに考えて、結局はいつも現状維持なのである。
だが、物は買っているのだから、捨てないと物が増えっぱなしだ。
さすがに捨てないとか……?
いや、この時間帯にごそごそやるのはご近所さんにも迷惑だろう。
昼になったらしよう。
そして気付いたら夜だ
そういえば前もこんなことあったよな……
いいかげん成長しろよ俺…
明日は仕事なので仕方なく(?)ベットに入る。
俺に「たまには」は、無理なようだ。
今日のお題:たまには
(ちょっとお題に沿わなすぎでしたかね…)