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俺たちの間にある絆は本物だ。
絶対に壊れる事はない



「…って思ってたのな…」
「やられましたね…」
…えー、今、俺たち2人は十年来の親友に裏切られて落胆している所である。
「まさか先輩が……」
俺の横で笹木が項垂れた。
「十三万と六千円…クソ…」
「え?十三万?」
「え?」
こいつは何を言っているんだ、というような目で笹木は俺のことを見る
「いや、先輩に十三万と六千円貸したまま逃げられたんすよ」
「え、俺百万くらい取られたんだけど」
あまりにも差が大きすぎやしないか
「しかも俺よりお前の方が、あいつと仲良かったよな!?」
「いや、知りませんよそんなん。仲良かったとか今更ですし…」
「うそだろ…」
「いえ、俺も物借りパクされてましたし………ね?」
「『ね?』じゃないんだよ!物っつっても百万も価値ないだろ!」
「まぁまぁ、同じ友達を失った事は事実ですし、俺たちは仲良くしましょうよ」
確かにそれはそうだ。
「じゃあ、俺たちはこれからも親友だぞ…!」
「はい!」
2人で絆を交わしたその一ヶ月後

彼は俺に一千万円を借りたまま、失踪した。



今日のお題:絆

3/6/2023, 10:37:20 AM