『moonlight』
月の光がさしているところ
自分一人で輝くことなんてできないからさ
まぶしいくらい明るく元気な人の光を受けて
なんとか生きている
人の力を借りなければ光を放つこともできない
なんのとりえもないわたしでも
この暗闇の中 孤独を不安やさびしさを抱えながら
立ちすくんでいる人を てらすことができたら
少しすくわれる気がする
暗闇の中にいるあなた
あなたのおかげで 私の心はすくわれるのです
あなたがいてくれてよかった
どうもありがとう
『今日だけ許して』
男女間の友情は成立するのか
なんでも話せる男ともだち
ちゃんと距離感わかってる
恋の相談にものってくれる
そんなアイツが
なんだか今日は元気がないぞ
どうした、彼女となんかあったのか
「今日は許せ」
オケ!
泣いていいぞ
甘えていいぞ
男女間の友情は成立する
と信じてるから
今日は許す!
『誰か』
タッタッタッタッ
タッタッタッタッ
もう少しで20kmだ
「スミマセン…」
誰かがわたしを呼んでいる
ふりかえる余裕はない
「ハァハァ…スミマセン」
まただ
背後から聞こえる誰かの声
ふりかえってその誰かを見る
「その手に持っている〝まるごとバナナ〟を
くれませんか」
え?このまるごとバナナ?えー…
「いいですよ」
わたしは、はじめて会うその誰かに
それほど躊躇せずにまるごとバナナを渡した
「ありがとうございます」
とても感謝された
これはすべて走りながらのやりとり
リレーのバトンのように渡したまるごとバナナ
誰かが誰かに助けてと言えたり
その誰かの声に応えることができたり
たすけあいの力で走り切った42.195km
なんか清々しい
『遠い足音』
どうして人は
選ばなければならないのだろう
どうして人は
答えを出さなくてはならないのだろう
どうして人は
決めなければならないのだろう
楽な方を選びたい
チャレンジしてみようかな
失敗したくない
後悔したくない
あっちを選んでいればよかったかな
人生は選択と決断の連続
足音はまだ遠い
でも その音は確実に近づいている
ゆっくり
真剣に
考える
自分の人生
自分で決めて
自分で作る
『秋の訪れ』
あけぼのがやうやう遅くなり
あしたの空気も冷たく心地
薄めの羽毛布団がつきづきしく
おどろけるになかなかいでられず
澄み切りし高き空
わたるいわし雲
風にゆるるススキ
自然の色も緑よりうつろひゆく
月を愛でつつ楽しむ
長き夜のほども
いとをかし