『ここにある』
人にいじわるはしない
友だちが困っていれば声をかける
友だちが泣いていれば一緒にたたかう
なのに
わたしってやさしくないなが
いつもここにある
かかえていた心配事が落ち着いた
いつもの日常がもどった
なのに
明日一変するのではないかという不安が
いつもここにある
大変なことがあっても
何も言わずに
みんな がんばっている
みんな 笑っている
なのに
わたしがもっとがんばれたら
みんなもっと楽しく生きられるのになが
いつもここにある
ごめんねと
ありがとうが
ここにある
そうやって 今日も生きる
『素足のままで』
①家につく
②くつをぬぐ
③くつ下をぬぐ
④畳の爽やかさを感じる
⑤無垢フローリングのぬくもりを感じる
⑥ソファに座る
⑦オットマンに脚をのせる
⑧寝転がる
いろいろなものから解放される瞬間
わたしの一日の終わりテキシコー
『もう一歩だけ、』
後ずさり 足がすくむ
生徒会に入ってみよう あの子の方が、みんなもきっと
部長をお願いします いや、わたしは副で
やりたいことは理系 数学ムリ
この服かわいい わたしには似合わない
髪型変えたい 失敗したら
自転車で出かけよう やっぱめんどう
毎日続けてみようかな 飽きっぽいから
早起きしよう 眠い
ひとり旅したい あぶないって
大好き わたしなんかじゃ
自由になりたい 反対された
もう一歩だけ、
『見知らぬ街』
見知らぬ街を歩くのが好きだ
自然の風景
風の匂い
街並み
路地裏の細い道
お店や看板の文字
どこからか焼き鳥や唐揚げの匂いがしてきたり
人々の歩く速度が早く感じられたり
そこに住んでいる人にとっては
あたりまえの日常だけど
出会うもの全てにワクワクする
わからない 知らないが
わたしの人生にスパイスを加える
『遠雷』
かすかに雷の音が聞こえる
ジグザグと
徐々に近づいてくる
不安 恐れ
晴れていても雷は落ちる
風向きが変わってくれたら
たとえ変わらなくても
嵐が過ぎれば
きっといつも通り
大丈夫
静寂の中
遠くの空を見つめる
風向きが変わった
雷の音が遠ざかっていく
次の嵐にそなえる
何度やってきても
何ごともなく通り過ぎてくれますように