息詰まる毎日。
何も変わらない色褪せた毎日。
僕はまた今日も仕事帰りにこの海に来てしまう。
この海の音を聞くと疲れが取れる気がしてすごく好きだからだ。
でも何だかすごく寂しい気がする。
僕は3年前に交通事故に会った。
そこで命の代わりに事故以前の記憶2年分が無くなった。
僕には半年付き合った彼女がいた。
今でも大好きなのに、君との記憶2年分が消えてしまった。
彼女は経ったの2年って言うけど、
僕にとっては君と過ごす大切な2年だった。
僕は君が好き。
だけどどんなに好き。大好き。愛してる。って伝えても
僕の2年分の記憶は戻らないし、
戻らないことによる寂しさも埋まらない。
いっそのこと海の音と一緒にこの寂しさを埋めてくれないか。
君と一緒に三輪車で下った坂。
君と一緒に歩いて下った坂。
君と一緒に自転車で登った坂。
君と最後に自転車で下った坂。
僕はこの坂に色んな思いを詰め込んだ。
君と出会ったのもこの坂。
君がこの世を去った時の最後もこの坂。
僕が毎年10月27日にこの坂に訪れる。
この時君に会えると一瞬この坂で錯覚する。
てっぺんから聞こえる君の声
この坂から見える太陽の光が君の笑った顔に見えた。
僕はまた君に会いたい。
君とまた自転車に乗ってこの坂の向こうにある景色をみたい。
そんなことをぼさっと呟きながら
僕はまた来年の今日もこの坂に来るだろう。
元気にしてますか?。
君が飛び立った日
僕は当たり前の毎日が当たり前じゃなくなった。
毎朝君の声で起きる僕。
君の行ってらっしゃい。
お昼休憩に見る君とのLINE。
そんな日々はもう一生来ない。
君が毎日くれていた愛に気づけなかった僕はとても愚か者だ
僕にとって君が心の健康を維持してくれる精神安定剤だったからこそここまで会社の地位もあげれた。
君がいないこの世界に僕の心は不健康になるばかりだ。
僕にとって君は精神安定剤兼心 だった。
もう一度君に会いたい。
君に伝えたい。
僕は君がいないと死んでしまいそうだ。
いつも廊下の奥から響いてくる午後3時50分
僕が丁度勉強を終えた時に聞こえてくるピアノの音だ。
ある日僕はこのピアノの音を誰が弾いてるのか気になった。
こっそり見に行ったらそこに居たのは
白髪の制服を着た女の子だった。
でもうちの学校は頭髪に厳しい校則があるため訳が分からなかった。
4時50分。塾があることを思い出した。
帰る途中も塾の講義中も塾終わりもあの子のことが頭から離れなかった。
次の日同じ時間にピアノの音が鳴る音楽室へ向かった。
やはりあの子だった。
僕はあの子に思い切って声をかけた瞬間、
目を開けれないほどの風が吹いた。
目を開けた瞬間に君は風と共に何処かへ行ってしまった。
あれからピアノの音は聞こえない。
僕はまたあの音色を聞きたい。
僕は君が奏でる音楽が大好きであると同時に
君は、僕の耳にピアノの音色を届けた瞬間、
僕という音楽にビックバンを起こさせたのだ。