真鶴。🐰

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3/21/2023, 11:33:54 PM

「星が綺麗だよ」

そう言いながら手を繋いでくれたお兄ちゃん。
あの日たしかに私はお兄ちゃんと二人きりの世界にいた。

「お兄ちゃん、あのね」

言えずに飲み込んだ言葉。伝えたかった私のきもち。
あの時の私はまだ小学生で、高校生になった今伝えることは難しかった。
どうしてあの時言わなかったんだろう。後悔ばかりが押し寄せてくる。

「お兄ちゃん、あのね」

私はもう、無知ではないの。だからこのきもちが実ることはない。
わかってる、わかってるよ。
だけどどうしたって消えてくれないんだ。

私はまた言葉を飲み込んだ。

#5 二人ぼっち

3/17/2023, 11:41:47 PM

転んだって泣かないよ、ぶつけたって泣かないよ。
誰かにいやなこと言われたって泣かないし、無視されたって泣かないよ。

泣かないことは強いこと。
泣くなんて恥ずかしい。

そういうふうに躾られた。
だから私は泣かないの。

転んだって泣かない、ぶつけたって泣かない。
誰かにいやなこと言われたって泣かない、無視されたって泣かない。

それなら私はいつ泣けばいいんだろう。

好きな人に振り向いてもらえない時は泣いていいのかな。
大切な人と離れてしまう時は泣いていいのかな。

どうしよう、わかんないな。
私はどうすればいいんだろう。

ねえお母さん、私はいつ泣けばいいんだっけ。




#4 泣かないよ

3/9/2023, 5:42:46 AM

「大切なものはなんですか?」
「愛だよ愛」
「うわー」

付き合いたての頃はなんだか恥ずかしくて、きゃーきゃー騒いで誤魔化してた。

月日を共に過ごしていくうちに、一緒にいることが当たり前になって。

今日、なんとなく昔した質問をしてみた。

「大切なものはなんですか?」
「愛だよ愛」
「うわー」

また同じこと言ってる。

変わったのは、あの頃よりもほんの少し大人になった私が、言葉は同じでもそこに秘められた感情は違ったもので。

恥ずかしさと、変わらないことへの嬉しさが入り交じったような甘いきもち。

「私もね、愛だよ愛」


#3 お金より大事なもの

3/7/2023, 6:19:06 AM

確かめ合うように頬に触れる。

温かい体温。胸元に耳を当てれば生きている音がする。

「いつまでも傍にいるからね」

「喧嘩しても仲直りだよ」

そんなもの、互いの信頼関係がなければ成り立たないの、知ってるくせに。

今こうして隣にいないのは、私達の絆が足りなかった結果だね。


#2 絆

3/4/2023, 11:44:24 PM

花は好きじゃないと言っていた。僕だって、好きな人に花をプレゼント……なんて柄じゃない。
ただ、これは一生のことだから。
きみに振り向いてほしくてやったこと。

「僕と付き合ってください!」

ピンク色の花束を前に、困惑するきみ。

「え……これ、私に?」
「似合わないことしてるってわかってる。でも、どうしてもきみにあげたくて」

きみの時間を僕にください。

「……花は好きじゃないって言ったのに」

そう告げるきみの表情は、完全に緩みきっていた。
僕の好きな表情だ。


#1 大好きな君に

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