真鶴。🐰

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3/7/2023, 6:19:06 AM

確かめ合うように頬に触れる。

温かい体温。胸元に耳を当てれば生きている音がする。

「いつまでも傍にいるからね」

「喧嘩しても仲直りだよ」

そんなもの、互いの信頼関係がなければ成り立たないの、知ってるくせに。

今こうして隣にいないのは、私達の絆が足りなかった結果だね。


#3 絆

3/4/2023, 11:44:24 PM

花は好きじゃないと言っていた。僕だって、好きな人に花をプレゼント……なんて柄じゃない。
ただ、これは一生のことだから。
きみに振り向いてほしくてやったこと。

「僕と付き合ってください!」

ピンク色の花束を前に、困惑するきみ。

「え……これ、私に?」
「似合わないことしてるってわかってる。でも、どうしてもきみにあげたくて」

きみの時間を僕にください。

「……花は好きじゃないって言ったのに」

そう告げるきみの表情は、完全に緩みきっていた。
僕の好きな表情だ。


#2 大好きな君に

3/3/2023, 6:19:47 AM

希望とは、未来に望みをかけること。未来とは、今よりもっと先のこと。

私は希望。希望(きぼう)と書いて希望(のぞみ)。

お姉ちゃんは未来。未来(みらい)と書いて未来(みく)。

名前に不釣り合いな私。こんな名前、すきじゃない。

だけどお母さんが言うの。

「希望(のぞみ)はたったひとりしかいないんだからね」

そんなことないよ。

私じゃなくても希望(のぞみ)はいるよ。

世界中探せば同じ名前の子なんていくらでもいる。

だから私は家を出た。家族皆困らせた。

でもその度にお母さんが言うの。

「生きていればそれだけでいいの。お母さんはね、希望(のぞみ)がいないとだめなのよ」





あれから十年経った今ならわかる。

子供って大切だ。

私もお母さんと同じこと言ってる。


#1 たった1つの希望