シロツメ ナナシ

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10/3/2025, 6:15:45 AM

『遠い足音』



―――――――――聞こえない


――――――聞こえない



―――聞こえない



遠くの………遠くの……


「私の足音」



私は私が分からない

同じ悩み持ってる人……
他にいるか分からないけど

私は「自分」を、過去の至る所に
置いてけぼりにしてきてしまっていたらしい
それも沢山、…たくさん、

あとから来てくれるらしいけど
もうずっとずっと待ってる私

心配で、心配で…、
私は不安で動けなくなり、
「自分」が来るのをひたすら待った

待つことも怖かった
それは世界から、世間から、
置いていかれる恐怖があったから
それでも私は「自分」を待つことを選んだ



待って…待って……
ただ待って……………

ようやく来た―――


1人の「自分の本音」が追いついた
それはいつかの悩みの種
言い出したい気持ちをグッとこらえて
言わずに置いた時の
私の本音とその感情


ここにたどり着いたのは
―――――――――たったその1人だけ

他の「自分」は、
もっともっとたくさんいるはずなのに

待てど暮らせど、戻ってこない


今も戻るの怖いけど…
私は戻ると決心する

今の私には、
これ以上先に進むことが出来なくて
ここから先に進むには
置いてけぼりの「自分」を
たくさん迎えに行かなきゃ進めない
それが何となくわかったから


私はこれから先を生きるために、
戻り始めた

遠くの自分に、
私の足音が聞こえるように、
少しわざと足を鳴らしながら
今の自分が戻れるとこまで

私は私を迎えに行く


〜シロツメナナシ〜

10/2/2025, 5:13:15 AM

『秋の訪れ』


始まりの前には終わりがある

秋の訪れを告げる前に
夏の終わりの音がする


定番なのはツクツクボウシ
セミはよくよく知っているらしい
いや、わかっている なのかもしれない
今年は特に
まだ暑いのに鳴き始め
信じられないと思っていたが
次の日あたりから
夜に涼しさを感じた
私は夜風を感じながら寝るのが好きで
なるべく夜は扇風機プラス窓を開ける
そして、夜風がある…と感じた
こんな些細な変化を
きっと感じとったんだな、と


ついでに言うと
猫もこっそり教えてくれる
時期によってねどこが違うのだ
夏場はフローリングに
猫たちが落ちてるのだが
セミ同様、
何か違いを感じとったようで
人の布団や違う箱の中で
寝るようになってきた


人より敏感な生き物たちが
大きな声や、声なき声で、
秋の訪れを告げてくれている

普通すぎることなのに
普通がまた来てくれる
なんかそれが、嬉しく思う


〜シロツメナナシ〜

10/1/2025, 6:25:12 AM

『旅は続く』


旅は続く―――

……こう聞くと今なら
人生そのものなのかも と、
思い至る人も多いかもしれない

少なくとも私はその1人
続いていく旅って言うのは
生きてる限り言い続けられるんだなぁと

私は特にゲームをやってて思い知ったし
最近だとアニメや漫画でも
ある終わった話のその先の話
というのがテーマの話もチラホラと

人生は本当に
生きてる限り旅は続くんだ……と


―――だけど私は今回、
そこで終わらなかった

それこそ作品でたまに見かける
死んだあとの世界の話が描かれた作品

そう、
「死後の生」があるんだなと
時々考える

その世界って、
まさに不老不死の世界なのかな?と
既に死んでるわけだから
その時の状態かもしれないし
あるいは全盛期の姿になるとも聞くし
実際は分からないけど、
ここで私が1番言いたいのは

例え死んだ後でも
 私という旅はそこからも
  まだまだ先に続くんだなぁ

ってこと考えてること


――――――死後の生―――
それはあの世の生活かもしれないし
つぎの転生先の選定かもしれないし
あの世で心の浄化修行の日々かもしれない


今を生きることに
思うことは山ほどある
考えたいことは無限に尽きない
できることは減るばかりなのにね

だからこそ…、
私は今の世界で
何をやり続けられるだろうか
できることはひとつでも

心がどこかに向く限り
五感が何かを感じる限り
この両足が赴く限り
この両手が動く限り
私が私である限り

今日も今日とて
今の生(せい)の 旅は続く―――


〜シロツメナナシ〜

9/30/2025, 5:26:28 AM

『モノクロ』


世界は、正常な色

思い出は……モノクロ

特に、綺麗な思い出ほど
まるで色が無い

思い出したくないことほど
何故か鮮明


人の脳の作りだって
あとから知ったけど

だとしてもあまり酷いと
脳のバグな気がしてならない

私が私を守りたい
その一心の負の記憶

その記憶達が
幸せな記憶の色を食べて
負の記憶の色だけ残る


やめて欲しいと何度も頼んだ
だけどやっぱり
それが脳のお仕事だった

負を避けたいが一心の
それが脳のお仕事だった


あんまり気持ちは乗らないけれど…
だったらいっぱい食べさせてあげる!

たくさん眠ったり、いっぱい遊んだり、
ご飯食べたり、好きなもの飲んだり、
犬猫撫でたり、いっぱい笑ったり、
好きなだけ歌ったり、ライブで推したり、

もういらない!
……って言っても食べさせるから!

だって、まだまだあるんだから!
世界の「負」になんて
私は負けたくないからさ!


〜シロツメナナシ〜

9/29/2025, 6:30:35 AM

『永遠なんて、ないけれど』


「絶対が絶対ない」のと同じで

「永遠なんて永遠にない」


有限の世界だから有限なものしかない
だからこそ

有限の中に無限を求める


もしもをひとつ考える
もしも自分が永遠ならと
私が世界の無限の愛
誰も彼もを愛せるならと

考えてもみたけれど……
私にそれはできっこない

そんな私は耐えられる?
そもそも全てをすきになる?
どう考えても、それはむり
私にだって好きがあるし苦手もある

そう考えた時気がついた
人が私を好きになる
私が人を好きになる
この矢印の両方が
同じほうを向くなんて
奇跡の中のそのひとつ

……納得感は薄いけど
そのすごさだけはわかる気がする


永遠なんて、無いけれど
ほんの短い時間でも
永遠に近い有限を
私と上手く紡ぎ合う
矢印探して、今日も生(い)く


〜シロツメ ナナシ〜

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