シロツメ ナナシ

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『遠い足音』



―――――――――聞こえない


――――――聞こえない



―――聞こえない



遠くの………遠くの……


「私の足音」



私は私が分からない

同じ悩み持ってる人……
他にいるか分からないけど

私は「自分」を、過去の至る所に
置いてけぼりにしてきてしまっていたらしい
それも沢山、…たくさん、

あとから来てくれるらしいけど
もうずっとずっと待ってる私

心配で、心配で…、
私は不安で動けなくなり、
「自分」が来るのをひたすら待った

待つことも怖かった
それは世界から、世間から、
置いていかれる恐怖があったから
それでも私は「自分」を待つことを選んだ



待って…待って……
ただ待って……………

ようやく来た―――


1人の「自分の本音」が追いついた
それはいつかの悩みの種
言い出したい気持ちをグッとこらえて
言わずに置いた時の
私の本音とその感情


ここにたどり着いたのは
―――――――――たったその1人だけ

他の「自分」は、
もっともっとたくさんいるはずなのに

待てど暮らせど、戻ってこない


今も戻るの怖いけど…
私は戻ると決心する

今の私には、
これ以上先に進むことが出来なくて
ここから先に進むには
置いてけぼりの「自分」を
たくさん迎えに行かなきゃ進めない
それが何となくわかったから


私はこれから先を生きるために、
戻り始めた

遠くの自分に、
私の足音が聞こえるように、
少しわざと足を鳴らしながら
今の自分が戻れるとこまで

私は私を迎えに行く


〜シロツメナナシ〜

10/3/2025, 6:15:45 AM