『見知らぬ街』
帰ってきた 自分の故郷
ちょっと暇だったから
身近な隣り街まで
気ままにドライブ
知ってる道で迷わないから
ほんとに気ままな 一人旅
道の駅ができてた
新しいスーパー建ってた
なんとなく好きだった
あの小店は駐車場に…
道は変わってない
けど広くなってた
綺麗に整えられていた
まだ工事中もあって
新しいバイパス通りになるのかな?
知らない道があって通ると
知ってるに繋がってて
便利になってた
チェーン店が繁盛してた
ここの店の名前変わってる
なんだかまるで 見知らぬ街に
来たような気分になっていた
―――ぉ、あいつの家
〜シロツメ ナナシ〜
243
『遠雷』
その時 衝撃が走った―――!!!
……なんてことを
感じたことはなかった
いや、もっと幼い頃は
あった気がするけど……
社会人になって
好きなことややりたいことが
だんだんと出来なくなっていくと
そんな気持ちや衝動は
日に日に出くわさなくなるし
なんなら今となっては
人との人生の違いや
人としての在り方の違いやらなんやら
辛くなったり嫉妬や怒りなんかを
感じたり覚えたりすることの方が
圧倒的に多くなっていたし、
気がつけば起こること起こることに
身構えるようになって行っていた……
それはまるで
遠雷を聞いた時の子どもような
遠いからその時はまだ大丈夫
だけどそれらは
だんだんと近づいてくる
あのやり場の無くなる
モヤモヤや憤りがやってくる
また私は……思い知らされる…
そう考えずにいられなくなる
相手にそのつもりは無い
そんなことはわかってる
だけど…
そういう問題じゃない……
私の心の悩みなんだってさ
ずっとずっと悩んでて
ずっとずっと考えて
私はずっと、向き合ってた
やってきた雷雲に
私は向き合い身を投じる
それは怒りや嫉妬や悔しさや
痛くて辛くて悲しくて
抜けた先に、声がある
「私もそうなりたいんだ」と
聞こえてくる遠雷は
私にとっての「感じる何か」
他の人とは全く違う
私だけの感じ方
遠くの方からやってきて
痛みとともに教えに来る
それが私の「感じ方」
姿かたちを変えながらも
まだ残ってる 私の中の
「好き」の気持ち―――
〜シロツメ ナナシ〜
243
『Midnight Blue』
夜の晴天をご存知だろうか
街の灯りもない田舎
そんな夜空を見上げた世界
こんな空は都会じゃ決して見れない
「色」
よく見ないも見えない色
それは人の心も同じだと思う
そんな服を身にまとい
私は彼に会いに行く
彼にはもっと見てほしい
私をもっと知って欲しい
私はあなたに捧げられる
だけどみんなに見せたいわけじゃない
あなただけに見てて欲しい
あなただけに見えて欲しい
限りなく黒い子の服の
奥の奥に 見える青
限りなく私の部分が
あなたにだけに見えて欲しくて―――
「あれ? その服……黒…?」
――彼には見えてくれた
……かもしれない
あなたにだけ見えて欲しい
私の「青」が―――
〜シロツメ ナナシ〜
242
『君と飛び立つ』
書き物をしてるのに
うろ覚えで申し訳ないけれど
君と飛び立つ と聞いて
あることをちょっと思い出した
それはテレビ番組、鳥の特集だった
端的に言えば
人が雛から育てて
それを自然にかえせるのか
と言うものだった
卵から育てる故
それが孵えった時
人を見れば親だと認識
そこからあの手この手で
ひなたちを育てあげる
だけど私が1番心配かつ驚いたのは
「人が鳥に飛び方を教える」という点
羽に見立て
手やうちわなんかを使い
動かし方を身につけてもらい
練習や訓練を重ね
そして成長した時には…
人が 小型の飛行機に乗り
ひな鳥たちと一緒になり
……―――飛び立った
みんなと飛び立ち
そして自然に帰っていった
…今日もどこかで
今ある当たり前の自然を
自然を守る人達が
懸命に守ってる事を、忘れてた
〜シロツメ ナナシ〜
241
『きっと忘れない』
夢を見た
これは夢だと自覚があった
それはとても鮮明な光景で
どれもこれも一瞬だった
亡くなったおばぁちゃん
会いに来てくれた
だいきらいなアイツを
この手で八つ裂きにしてやった
急に空を飛べたんだけど
急に飛べなくなって墜落した
死んじゃった犬に
また会うことが出来た
建物が燃えていて
私は出られなくて死んでしまった
二度と会いたくないアイツが
ただ苦しんでる光景をみた
憧れだったあの人と ここでは言えない
あんなことやこんなこと
こんなインパクトだらけの夢
忘れるはずがない―――!
―――目が覚めた
……私………
なんか、……夢見てたような………
〜シロツメ ナナシ〜
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