『遠雷』
その時 衝撃が走った―――!!!
……なんてことを
感じたことはなかった
いや、もっと幼い頃は
あった気がするけど……
社会人になって
好きなことややりたいことが
だんだんと出来なくなっていくと
そんな気持ちや衝動は
日に日に出くわさなくなるし
なんなら今となっては
人との人生の違いや
人としての在り方の違いやらなんやら
辛くなったり嫉妬や怒りなんかを
感じたり覚えたりすることの方が
圧倒的に多くなっていたし、
気がつけば起こること起こることに
身構えるようになって行っていた……
それはまるで
遠雷を聞いた時の子どもような
遠いからその時はまだ大丈夫
だけどそれらは
だんだんと近づいてくる
あのやり場の無くなる
モヤモヤや憤りがやってくる
また私は……思い知らされる…
そう考えずにいられなくなる
相手にそのつもりは無い
そんなことはわかってる
だけど…
そういう問題じゃない……
私の心の悩みなんだってさ
ずっとずっと悩んでて
ずっとずっと考えて
私はずっと、向き合ってた
やってきた雷雲に
私は向き合い身を投じる
それは怒りや嫉妬や悔しさや
痛くて辛くて悲しくて
抜けた先に、声がある
「私もそうなりたいんだ」と
聞こえてくる遠雷は
私にとっての「感じる何か」
他の人とは全く違う
私だけの感じ方
遠くの方からやってきて
痛みとともに教えに来る
それが私の「感じ方」
姿かたちを変えながらも
まだ残ってる 私の中の
「好き」の気持ち―――
〜シロツメ ナナシ〜
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8/24/2025, 5:02:04 AM