『星』
おや、いらっしゃい
どうでしたか?ワープできる栞は
えぇ、成功してますよ。
ここは ―星の図書館― ですよ
先日ぶりですね
来てくれて嬉しいです
…はて……、あなた……
気のせいでしょうか…?
少しですが顔色が良くないですね?
……なるほど………
あなたは……過去の…
「あなたの物語」に縛られてるんですよ
えぇ。あなたの記憶や思い出も
私からすればそれは物語
本や紙に書くとして、
それが1ページでも、1行でも、
たった一単語で済んだとしても
それはあなたにとって
とても大切な物語。
そしてその物語は同時に
その人を幸福に導くものにもなり
その人を支える大切なものになり
その人を…一生くるしめる場合も…
そう、大切ならいいんですが
「間違って大切にしてしまう事」
というのもあるんですよ
その辛い物語から離すことは
大変難しいのですが、
私は少しだけ、緩めるお手伝いなら
多少はできるんです。
そうですね…、
どれくらいチカラになれるかは
分かりませんが……あなたのでしたら
縛りを弛める事ならできるかも知れません
それでも良ければ
私がお手伝い致しましょう
では、こちらに来てください
この部屋です
ここでの主な目的は
あなたの、利用者の過去の記憶を
簡単に物語にして、
空や天井に映し出すための部屋
映し出してみるのですから、
私たちは通称 ―プラネタリウム― と
そう呼んでいます
……あぁ、大丈夫ですよ?
映し出した時にはまだ星です
そしてそれを先ず見れるのは
あなただけですので
あなたの許可なしに
他の人が見ることはありませんので
どうかご心配なく
では、始めてみますか?
―――分かりました
では、
あなたの助けになりますように
私もお手伝い致しますね
〜シロツメ ナナシ〜
『願いが1つ叶うならば』
はっはっは〜
私はどんな願いも叶える
スペシャルな魔法のランプの精霊〜
「割と雑で要素モリモリやな」
良いじゃん!スペシャル!
「んで、願い叶えてくれるって?」
まあ無理なんだけどね?
「ですよね〜知ってた、
んでなに藪から棒に、願い?」
ん〜、いやね?
もしもたったひとつだけ
どんな無理難題でも願いがひとつ叶うなら
私は何を願うかなぁって思って
「それでスペシャル?」
そうスペシャル!!
だってスペシャルじゃないと、
普通の魔法のランプとか
願いを叶えるボールだと
少し制限があるでしょ?だから!
「ぁーあったなぁ…、
人殺しはできないとか
神を超える力は叶えられないとか」
というわけで、何かある?
とりあえずなんでも言ってみてよ!
「んじゃ…鉄板のだと…
不老不死とか?」
あーわかるけど、私は反対派なんだよね…
「なんでさ?」
だって…若いって魅力的だけど
死ねないって……なんかね?
それはそれでなんか怖い……
みんなが先にいなくなって
ひとりぼっちになりそうだし、
もしも心を病んだら、
ずっとそのまま苦しいままなのかなぁって
「ぁーそう言われるとたしかに…
んなら、不老ならいいんじゃね?」
あーそれはありかも…!
んじゃ他には?
「そうだなぁ…
他には…誰でも空飛べるとか?」
お!いいね!どこでも自由自在!
お外の窓拭きもできる!
あーでも……今はちょっと怖いかも?
「?空飛ぶのが?
まぁ確かに高いとこ怖い人からすると
飛んでて落ちないか不安になるか…?」
それもだけど…
なんか、色んな悪用する人多そう…
覗いたりとか…
「すまんこっち見んな…」
あと、飛んで電線に引っかかったりとか
戦いに悪用しそうな人も出そうで…
「…そう言われるとちょっと心配だな…
高さ制限でも設けるか?」
それだともはや
飛ぶ必要がなくなりそうだね……
「……だな。
ん〜〜〜!あとは…
それこそ蘇生を考えたけど…
それは若い人限定にしたいよなぁ…」
ね〜?寿命迎えた人は
ちょっと可哀想だもんね…?
「……個人的には、
戦争が無くなるとか
今この世に存在する
全ての病気を消してしまいたい…
ぐらいは叶えたいかなぁ…」
あーたしかに、
それなら良いかもね?
どれも見てて悲しいもんね…
「……病気は…お前もだろ?」
……え?
あー…うん。
「……早く良くなれよ?」
……ん!がん!ばり!ます!
「(……だから、どんな願いも…か…
ほんとに……強いやつだよ…お前…)」
〜シロツメ ナナシ〜
『嗚呼』
皆さんは――
いえ あなたは―――
心が揺れ動いた瞬間
覚えていますか?
いわゆる エモい ってやつですかね
それはなんでも構いません
幸せから 苦しい事まで
とにかく感情を自分で
抑えることが出来なくなるほど
心や気持ちが揺れ動いた瞬間です
好きな人やモノに出会った時
綺麗な景色を見つけた時
大切な人達との別れの時
傷つけられてしまった瞬間
悲しみを止められなくなった時
心の本音や気持ちに気づいた瞬間
この世の大きなものごとから
あなただけが感じ取るモノまで
その全ての中からひとつずつ
たくさん感じる人もいるでしょう
ほんのすこしの人もいるでしょう
そのどちらにも良さがあり
そのどちらとも素晴らしい
あとはあなたがどちらが得意か
たったそれだけの事です
もし良かったら
その中からひとつだけ
聞かせて貰えたら 幸いです
〜シロツメ ナナシ〜
『秘密の場所』
そこは
だれもこない
ジャマはだれもこない
こっそり 行って
ちょっと 飛んで
もひとつ 飛んで
身を ひそめれば
けづくろいのし放題
忘れた頃に探しに来る
主の視線は オレのもの
撫でて来る手も オレのもの
目の前すぐに 手が届く
時々噛んで 恩返し
声を出して喜ぶから
寒くないし ジャマもない
それでも気配も感じれるから
寂しくないし ひとり時間
ここがオレの 秘密の場所
〜シロツメ ナナシ〜
『ラララ』
レ「……?なんか聞こえる…」
カ「ん〜♪」
チ「ラララ〜♪」
カ「やっぱりチーユの毛づくろいが
1番上手いなぁ〜」
チ「そう?ありがとう~♪」
レ「(なるほど、チーユが
カークル [カーバンクル]の
毛づくろいをしてたのか…)」
カ「お?レイ~、なんだい?
もしかして羨ましいかい??」
レ「んな…!………べ、ベツニ?」
カ「間が長いなー、正直だねぇ~」
チ「あらあら// では、
レイの髪も…と、ときましょうか?//」
レ「え…! あー…あだ、
大丈夫!大丈夫!」
チ「そうですか…あら?
それよりなにか御用で?
ぁ、もしかして……
もう出発時間でしたか!?」
レ「あー違う違う。なんか
歌声っぽいのが聞こえたから
それでつられてきただけ
まだ時間あるからいいよ?」
カ「んじゃチーユ!続き〜」
チ「はいは~い♪」
レ「(……ほんと、あんなこと…
あったあととは思えない精神力…)」
カ「ん〜〜〜♪極楽〜♪」
チ「っふふ、あったか〜い♪」
レ「(…………くっそー!ウラヤマ!!!)」
〜シロツメ ナナシ〜