『星』
おや、いらっしゃい
どうでしたか?ワープできる栞は
えぇ、成功してますよ。
ここは ―星の図書館― ですよ
先日ぶりですね
来てくれて嬉しいです
…はて……、あなた……
気のせいでしょうか…?
少しですが顔色が良くないですね?
……なるほど………
あなたは……過去の…
「あなたの物語」に縛られてるんですよ
えぇ。あなたの記憶や思い出も
私からすればそれは物語
本や紙に書くとして、
それが1ページでも、1行でも、
たった一単語で済んだとしても
それはあなたにとって
とても大切な物語。
そしてその物語は同時に
その人を幸福に導くものにもなり
その人を支える大切なものになり
その人を…一生くるしめる場合も…
そう、大切ならいいんですが
「間違って大切にしてしまう事」
というのもあるんですよ
その辛い物語から離すことは
大変難しいのですが、
私は少しだけ、緩めるお手伝いなら
多少はできるんです。
そうですね…、
どれくらいチカラになれるかは
分かりませんが……あなたのでしたら
縛りを弛める事ならできるかも知れません
それでも良ければ
私がお手伝い致しましょう
では、こちらに来てください
この部屋です
ここでの主な目的は
あなたの、利用者の過去の記憶を
簡単に物語にして、
空や天井に映し出すための部屋
映し出してみるのですから、
私たちは通称 ―プラネタリウム― と
そう呼んでいます
……あぁ、大丈夫ですよ?
映し出した時にはまだ星です
そしてそれを先ず見れるのは
あなただけですので
あなたの許可なしに
他の人が見ることはありませんので
どうかご心配なく
では、始めてみますか?
―――分かりました
では、
あなたの助けになりますように
私もお手伝い致しますね
〜シロツメ ナナシ〜
3/12/2025, 1:21:02 AM