『魔法』
っひっひっひ
俺はカエルの魔法使い!
お前にカエルの魔法をかけてやる!
ほーれ!
カエルカエル〜!ゲーコゲコー!
さぁさぁ!カエルだらけだぞ〜?
ほーらこの卵…
もうすぐ 孵るぞ!
ほーらこのサナギ…
蝶々に 姿を 変えるぞ!
ほーらその店…
出来たて弁当が 買えるぞ!
ほーらその靴…
新品のと 換えるぞ!
ほーらこの犬…
お前の家で飼えるぞ!
ほーらそこのお前…
良い人間に 変えるぞ〜!
ほーらお前の友達…
明日には元の心に還るぞ〜?
ほーらこの道…
ちゃんと家に帰るんだぞ〜?
っひっひっひ
俺はカエルの魔法使い…
これでお前も…
カエルの魔法が つかえるぞ〜?
〜シロツメ ナナシ〜
『君と見た虹』
よぉ、
届いたぜ
いっぱい泣いたか
やまほど叫んだか
言える事言ったか
怒りが来てるのか
ココロが折れたか
未知にまいごか
また抜かれたか
顔を出せないか
それが悔しいか
あるき疲れたか
もう立てないか
メシは食ったか
ちゃんと寝たか
朝起きれないか
生きるのが辛いか?
…大丈夫さ
なんたって、
時間は違おうと
同じ虹見て、前見て育ってきたんだ
そっちでまだ
俺と同じ虹見てるってことは
少なくとも
生きることだけは
まだ諦めてないってことだろ
吐き出せるもん吐き出して
捨てれるもん全部捨ててきたら
這いずってでも進めばいい
その先で、待ってるからさ
過去のお前も、未来のお前も、
みんな揃って、待ってるからさ
お前が進めばいいだけだ
…どれに進めばいいかって?
安心しろ
どの道でも、みんな待ってる
今お前の持ってるバトンと
同じバトンを皆が持ってる
ただ笑って、待ってるからさ
じゃ、またな!
ずっと待っててやるから
必ず来いよ!!!
〜シロツメ ナナシ〜
『夜空を駆ける』
ボクはよるに
シャボン玉で あそんだ
ボクはお空が飛べないから
シャボン玉になって
お空を走ろうと思ったの
ふーっ…!
ふーっ…!
いっぱいふーっ!ってしたら
小さなシャボン玉が
いっぱい出てきた!
そこに風がふいてきて
たくさんお空に飛んで行った!
「ボク」がたくさん走ってく!
つぎはゆっくり吹いてみた
ふぅーー……
ふぅーー……
…できた!
風がそっと吹いてきて
お空に上がって…見えなくなった
…届いたかな?
おばあちゃん、ネコちゃん、
また 遊ぼうね?
〜シロツメ ナナシ〜
『ひそかな想い』
(コンコンッ)
カ「ティアミーン、ちょっといい?
って、ん?縫い物?」
テ「ぁ、カーレルさん。
はい、先日マントのボタンが
外れたとの事だったので、
それを縫い合わせていました」
カ「あ、覚えててくれたか
ありがとさん、助かるよ」
テ「いえいえ、細かい作業や魔法は
得意なので、やらせてくださいね
あーでも…、先日のような
突貫はやめてくださいね?
いくら補助・回復魔法得意でも
あれはあとが大変なので〜…」
カ「うぐ…す、すまんかった…」
テ「ガードや回避の訓練、
もう少し頑張ってくださいね〜」
カ「が…頑張る…うん…。」
テ「ん〜よし出来た!
すみません、合うボタンが
今はこれしかなくて〜」
カ「お、ありがとさん 気にしないで
…ん?どっかで見たような…?」
テ「おー、さてどこでしょう?」
カ「ん〜……。あ 思い出した!
ティアミンの服の袖のやつだ」
テ「おー、正解です〜!」
カ「ぁーでも良かったの?」
テ「いえいえ、いいんですよ。
予備の方をつけてますから」
カ「あーそうなのね、んなら大丈夫か」
テ「ところで、私に何かごようが?」
カ「あーそうそう、
そろそろ移動の時間だからと
呼びに来たんだ、行けるか?」
テ「分かりました〜では、
ここ片付けたらすぐ行きますので、
先に行っててくださいな。」
カ「あいよ、慌ててないから
ゆっくりな?」
テ「はーいー」
カ「ボタンあんがとさん、
んじゃ早速っと(バサッ)」
テ「はーい、どうぞどうぞ〜」
(バタン)
テ「(…予備のボタンは、
今、つけてる私のボタンの方…)」
〜シロツメ ナナシ〜
『あなたは誰』
鏡の自分を見ていると
時々酷く不安になる―――
私が相手に聞いてるの?
相手が私に聞いてるの?
あなたは誰?って―――
あなたは私の鏡なの?
私があなたの鏡なの?
君は俺なの?
俺は君なの?
見ていることも辛くなるほど
(彼・彼女)は酷い有り様だった
相手を罵ってるのに
それは自分に返ってきた
いや、あるいは
相手が自分に言ってきたのか
どちらでもある気がしてきた
何年も…何年も…何十年も…
繰り返して…繰り返して……
やっとわかったことが一つ
今、
この人を1番幸せにできるのは
自分しかいないんだ、って
この人は何を求めてるのか…
たくさんたくさん、聞いてみよう
今更かもしれないけど…
今からでもできることが
まだ…まだ残ってるはずだから―――
〜シロツメ ナナシ〜