友の情と書いて友情。
僕の友達はどんな情を抱いているのだろうか?
「ボブ、これ、プレゼントです」
「お、お前からのプレゼントなんて珍しいな」
エリオの手には11輪の薔薇11本の薔薇を抱えていた。
「薔薇?何だ急に」
「ボス〜、オレが何を伝えたいか分かりますよね〜?」
「なんだぁ?俺わかんねえぞ〜」
「もぉ〜、ボス、耄碌してるんですか〜?しょうががないっすね〜。オレたちの間に花が咲いたってことですよ」
タイムマシンがあったら過去か未来に行くかという質問はよくあるものだ。非現実なことを考えその妄想で自分を満たし、今後の生きる活力にするのだろう。
個人的に時間という概念から派生した考えで面白いと思うのが、英語の仮定法だ。英語の仮定法は非現実(あるいは怒る確率が極端に低いもの)の文に使われる。僕が塾の先生から聞いた話で、仮定法ではif節を過去形あるいは過去完了形にするのは、非現実なことと、自分の距離を、時間軸での距離に置き換えて、離れた過去で起きたこととして考えるから、というものを聞いた。これが本当なのかは分からないが、この考え方は非常に面白いと思う。
そもそも時間とは人間が人工的に生み出した概念で、自然の中に元々組み込まれたものとは言い難い。時間は現在はほぼ一定の間隔で刻まれる。1秒の定義もはっきりしている。
しかし、なぜこんなに時間は都合のいいものなのだろうか?
こんなことばっかり考えてるから時間を大切にせず、寝不足のまま生きていくことになるって分かっているのに。時間に支配されてしまう。
エリオと津詰は署内の休憩所にいた。
「ほら、カフェオレだ」
「えっ?どうしてオレ今カフェオレ飲みたいってわかったんですか?」
「俺の鋭い勘だな」
「なんですかそれ」
「俺とお前さん、長い付き合いだろ?そんくらい分かるわ」
「へー、じゃあボス、今オレが1番欲しいもの、分かります?」
「欲しいもの?……そうだな、万年筆、とか?」
「ぶっぶー!全然違いますね。耄碌しちゃいました?」
「してねぇって、つーか、ヒントがねえなぁ」
「え、もうヒントですか?まあ、分かりました。ヒントは、今この空間の中にあります」
「この空間?この中にあるもの……、あ!わかったぞ!さては、観葉植物だな?」
「ぶー!また外しちゃいましたね!もう正解言っちゃいますね。正解は、」
「正解は?」
「………ボスの愛情です」
「……は?」
僕の名前はそこまで珍しくないものだ。
好きでも嫌いでもない。
でも、意味あるもの。
これからも大切にしたい。