黒山 治郎

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8/19/2024, 3:38:56 AM

問い掛けには答えない
自問自答にしかなり得ない
誰と問えば見慣れることも無い
自分なんていつも曖昧だと思った。

ー 鏡 ー

8/18/2024, 7:57:37 AM

曾祖父が遺したホルベインの水彩絵の具
蓋を開ける度にぼやけた絵の具の匂いがして
暖色系の殆どは使われてしまっている。

本当は絵が欲しかった
端金で売り切ったと聞いた時には
叔父さんと叔母さんも一緒になって
祖父に憤慨したものだが
いつかは、自分で買い戻したいと思う。

ー いつまでも捨てられないもの ー

8/17/2024, 7:00:52 AM

胸を明るく灯すならば良いのだが
人間は一度欲すると際限が無い

自己顕示欲にのまれ誇張し
他者の目に晒し過ぎれば
誇らしさは見る影も無く、くすんでゆく
例えばこれが亡者の栄光であれば
骨董品としての価値は上がるだろうに
承認欲求とは酷く皮肉なものだ。

ー 誇らしさ ー

8/16/2024, 9:00:41 AM

月の無い夜
思慮に沈みて
底を無くす。

己の深海は何処までも暗く。
思い、重い、黒への怯えが
行き着く場所を求めては
酸素を忘れ落ちていく。

───こぽん。

いまは、どのあたり だろうか…。

ー 夜の海 ー

8/14/2024, 6:57:32 PM

東西南北、ご自由に
本日は何処へ向かおうか

遠目に横っ面を見せる坂は
自分の正面に来た時にゃ
上りとなるか下りになるか
車輪は無心に地続きの並行を行く
二つ並びに線を引き回り縁と巡る

声が欲しいか、縁が欲しいか
ならば転がさにゃなるまいて
足があろう耳があろう
目があろう口があろう
繋げる手があるだろう
声は喉に、言葉が胸に
芽吹き育ち、宿っているだろう。

ー 自転車に乗って ー

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