狼星

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10/6/2023, 11:32:47 AM

テーマ:過ぎた日を想う #327

過ぎた日を想う。
もっと勉強していれば点数取れたのにな。
テストの日のことを。

過ぎた日を想う。
修学旅行の日
間に合わない時間にチームみんなで走ったあの時間。

過ぎた日を想う。

10/5/2023, 10:20:11 AM

テーマ:星座 #326

知っている星座を見つけ喜ぶ娘。
「学校で習ったんだって」
あなたに言ってもあなたはスマホばかり。
「あなた」
そう呼びかけても
「うん……」
目線はスマホ。
私はぐっとこらえた。
娘の成長よりもスマホが大事ですか?
あなた外へ来てもスマホばかりじゃない。
「ママ?」
娘がそんな私の空気を読み取ったのか
私を心配そうに見つめる。
「そうね。凄い! 物知りね。
 私はオリオン座とか白鳥座とかしか知らないわ」
そんな会話も聞いているんだかいないんだか。
娘だけはこうなってほしくない。
出会ったときは一緒に星を眺めて、
新しい星を見つけたら君の名前をつけるんだ
なんて言ってくれたあなたはどこ?
私は空を見上げた。

娘には見せないように。

満天の星空から一筋の光の粒が落ちた。
それは私の目からだった。


※♡4000ありがとうございます!!

10/4/2023, 12:28:49 PM

テーマ:踊りませんか? #325

みんな踊っていた。
文化祭の最後にダンスをペアで踊る。
私はペアが作れなかった。
男子とも女子とも……。
そんな子他にいないのに…。
私はため息を付きその場を離れようとした。
「一緒に踊りませんか?」
急に後ろから手を引かれた。
私は振り向く。
そこにはクラスのお調子者。
馬鹿にしているんでしょ。
運動音痴な私を。
私は手を振り払おうとしたが離れない。
私がキッと睨むと相手の顔を見てそれをやめた。
馬鹿にされているような気はしない。
真剣そのものだったから。
きっとこれも演技よ。
騙されちゃだめ。
絶対に踊れない。
私は首を横に振る。
「大丈夫。俺に合わせて」
同時に体を引き寄せられる。
ダメだって! 
笑いものにされちゃう。
私はぎゅっと目をつぶる。
「大丈夫。ちゃんと見て。俺だけ見ていればいい」
いつものお調子者の彼とは思えないほど落ち着く声。
私が目を開けるとそこにはふっと笑う、
私の知らない彼がいた。

10/3/2023, 1:15:20 PM

テーマ:巡り会えたら #324

また巡り会えたら僕と友達になってくれる?
また巡り会えたら人間の姿で
きっと君の前に現れるから。
今は君のペットだけど、
いつか隣に並んで話せるような
友達になりたい。
今は言葉も通じない。
君と一緒に出かけることもできないけど
きっと君の笑顔を守るから。
だから泣かないで。
また巡り会えたら僕が好きな君の笑顔を見せて。
僕は君と出会えてよかった。

10/2/2023, 11:52:30 AM

テーマ:奇跡をもう一度 #323

手術室の前のベンチ。
暗い蛍光灯。
赤く光る『手術中』の文字……。
俺はただ祈るしかなかった。
奇跡をもう一度起こしてくれと、
手を合わせそれに顔を寄せ、
目を瞑る。

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