狼星

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10/1/2023, 10:08:23 AM

テーマ:たそがれ #322

たそがれ時の空を見上げ
君と最後に話したときのことを思い出す。
あの時俺が。
はっきり言っていれば未来は変わっただろうか。
君がまだ俺の隣りにいてくれただろうか。
この空を2人で見上げる世界線は存在しただろうか。
たそがれ時の空を見ていると切なくなる。

9/30/2023, 2:23:33 PM

テーマ:きっと明日も #321

きっと明日も勉強だ。
勉強、勉強、勉強……
高校3年の2学期は
学年末の成績のために
受験のために
定期テストのために
卒業のために
勉強、勉強、勉強……

9/29/2023, 2:29:03 PM

テーマ:静寂に包まれた部屋 #320

いつも口うるさい姉貴がいなくなった隣の部屋からは
何の物音も聞こえなくなった。
俺は自分の部屋を出るとそっと姉貴の部屋を覗く。
いつもだったら
「ノックぐらいしなさいよ!」
そう言ってメイクをやり途中の姉貴に叱られたりする。
しかし今は静寂に包まれた部屋だけが
ポツンと置いてけぼりにされている。

正月には帰ってくるって言っていたな。
俺は姉貴の部屋に入って寝転ぶ。
昨日までいた姉貴の香水の匂いがする。
最初は香水なんて嫌だといったけど、
今となってはこの静寂な部屋に姉貴がいたという
唯一の存在証明なきがして、
胸の奥がツンとした。

9/28/2023, 12:26:48 PM

テーマ:別れ際に #319

別れ際に話す。
これからのこと。
将来のこと。
未来のこと……。
「俺の分まで生きくれよ」
ボソッと帰り際に言ったのは
きっと聞こえていないだろう。
「またな」
ベッドに横たわったまま顔をこっちに向ける親友。
またはきっとこないだろう。
でも最後まで笑顔でいたい。
「またな」
俺はそう言って笑顔でいうと病室のドアを閉めた。

ごめん。
きっとお前は俺の決断に反対するから。
ごめん。
お前に生きてほしいから。
……ごめん。


ドナーがやっと見つかったらしい。
もうすぐ手術だ。
アイツと早く一緒にスポーツがしたい。
アイツと早く一緒にキャンプに行きたい。
アイツと早く一緒に学校に行って……。

なんで……。
俺は震える手で持っているものにかかれていることが
嘘であることを願った。
絶望と後悔と怒りと……。
なんとも言えない感情が混じり合う。
「なんでだよ……」
視界がぼやけている。
俺は泣いているのか?
それすらもうわからない。

9/27/2023, 1:11:56 PM

テーマ:通り雨 #318

「通り雨に降られた―」
息子がビチョビチョになって帰ってきたものだから
何事かと思えば通り雨に降られたらしい。
あれほど朝傘を持っていけといったのに
へーきへーき。
なんていうからだ。
「風邪ひくから早く着替えて!」
私が必死に言ってもすぐには着替えない息子。
これだから通り雨は困る……。

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