狼星

Open App
8/7/2023, 11:37:38 AM

テーマ:最初から決まってた  #267

最初から決まってた。
誰の家族として生まれ
誰と出会い
誰と結ばれ
誰とともに人生を歩むか

最初から決まってた。
誰と別れ
誰と喧嘩し
誰と結ばれないか

最初から決まってた。
私の運命は
神様の手によって

8/6/2023, 11:05:51 AM

テーマ:太陽 #266

太陽がきらめく海を見ていた。
海の向こうにはどんな世界が広がっているのか、
私は知らない。
平和な世界しか知らない私にとって
戦争も
空腹も
家族を失うという寂しさも
まだ知らない。

幸せだと感じることが
あまりにも当たり前すぎて。
自覚するのを忘れてしまう。

8/5/2023, 2:04:57 PM

テーマ:鐘の音 #265

鐘の音がなっている。
遠くで。
その鐘のなる方へ
いつか行きたい。

8/4/2023, 2:06:35 PM

テーマ:つまらないことでも #264

「つまらないことでもありましたか? お嬢さん」
私が橋で一人、川を眺めているとナンパされた。
「いいえ」
私はすぐにその人から離れようとした。
「あなたを退屈させない世界へとお連れしましょう」
「え?」
私はその人の顔を見た。
しかし、空も暗くなっていたため
深く被られた帽子の下は見えなかった。
突然、
車のフラッシュのような眩い光が私の視界を覆う。
「どうぞ素敵な時間を」
その声を最後に私は意識を失った。


♡3400ありがとうございます✨

8/3/2023, 12:32:08 PM

テーマ:目が覚めるまでに #263

あなたの声が聞こえる。
微かに。
私を呼ぶ声。
あぁ、愛おしいあなた。
私は重い瞼を開ける。
もう声を出せる力はない。
でも、最後まであなたを見続けるわ。
あなたの目には涙が溜まっていた。
全く泣き虫の子供みたい。
私は彼の頬に手を伸ばす。
いえ、正確には彼が私の手を握り、
その手を頬に持っていった。

ごめんね。
先に逝く私をあなたは許してくれないでしょう。
あなたは私を恨むでしょう。
彼の目から一筋の涙が伝う。
「君の目が覚めるまでに、僕がキミに捧げるこの作品を絶対にこの世に広めるから。僕は君を愛している。ずっと、ずっと……」
あぁ、あなたは……。
あなたという人は……。
私を恨んではくれないのね。
最後の最後まで私に優しい言葉をかけるだなんて、
どうかしている。
もうそこに迎えが来ているかのように、
私の体は言うことを聞かなくなっていた。
でもこれだけは……。
これだけは伝えなくちゃ。


君が目を閉じた後、
ピーと鳴る心電図モニター。
僕は最後に君が動かした口の動きを
頭の中で何度も再生した。
君が最後に残した言葉。
(あいしてる)
僕は君の手をゆっくりとおろした。
君のためにも、
この作品は完璧に仕上げなければいけない。
涙をぬぐった。
君の目が覚めるまでに、
僕は一つの光を灯す。
小説という一つの君と作った光を。

Next