大事にしたい
遠い記憶
あまりにも遠い記憶
遠い記憶の中にある私の夢
あの頃の私は
何を想い描いていたのだろう
あの頃の夢が少しずつ消えていく
記憶と共に消えていく
灯りが消えていくように
どんどん小さくなっていく…
あと一吹きで消えてしまいそうな夢
この小さな灯火を大事にしたい
消えてしまわないように大切に、大事に…
いつか必ずあの頃の想いのように
また大きく夢が燃え上がる日まで
この小さな灯火を大事にしたい
「今一番欲しいもの」
蓋をして、何処かに忘れられた私の心
その心の中に、私が一番欲しいものがある
蓋をした心が何処にあるのかわからない
いつ蓋をしたのかさえ覚えていない‥
「私が蓋をした心は何処にあるの‥」
私はいま、蓋をした心を探す旅の途中‥
その蓋をした心の中には
私が一番欲しいものが入っている
そう、私が望む一番欲しいものが‥
「私の名前」
私の本当の名前は思い出せない‥
そう、今の名前は仮の名前
この世界を生きていくための名前
この世界には名前がある
私とあなたを分けるための名前がある‥
ここは、私の心の中を映し出した世界‥
本当の自分を思い出すための世界
あなたは、私の中のもう一人の私‥
目の前のあなたは私の中の嫌いな部分
目を背けたくなるほど嫌いな部分
「こんな人私じゃない!こんな嫌な人と違う!
そうよ違う人よ! 知らない人よ」
名前があることで
あなたを私だと認めることができない‥
名前があることで
まだ本当の自分を思い出していない‥
「視線の先には…」
分かれ道で立ち尽くしている私‥
「こっちだよ」
どんなに道を照らしても
「こっちだよ」
どんなに呼んでも
分かれ道で立ち尽くしている私‥
「どっちに行けばいいの‥」
そっと耳をすまして…
ほら、聞えてくるよ
心の中のもう一人の私の声が‥
「大丈夫。こっちだよ」
「私だけ‥」
もしもこの世界で「私だけ」だったら
泣くことも、笑うことさえもできない
嫌な気持ちになることも、
誰かに怒ることさえできない
妬むことも、嫉妬することさえもできない
もしもこの世界で「私だけ」だったら
「私だけ‥」と思うのだろうか‥
ひとりだと何も感じる事ができない‥
この世界で私はひとりではない
「私だけ‥」と思わせてくれる
人たちが、周りにたくさんいる
「私だけ‥」と思えるのは
本当は、幸せな事かもしれない‥